万引きで誤認逮捕された!慰謝料を請求する方法 - 刑事事件に強い大阪の弁護士法人ロイヤーズハイ

弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイ
大阪難波・堺・岸和田・神戸の 刑事事件 加害者側専門サイト

万引きで誤認逮捕された!慰謝料を請求する方法

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク

万引きで誤認逮捕された!慰謝料を請求する方法

 

近所のコンビニで買い物をしていた際に、万引きの疑いで店員や警備員に呼び止められ警察に連行されました。その後、万引きの証拠がないとして釈放されましたが、店からは謝罪の言葉のみで済まされてしまいました。近所のコンビニと言うこともあり,近隣の住民に見られていますし,納得がいきません。お店側に慰謝料などの損害賠償金を請求できないのでしょうか。もしできるならその方法を知りたいです。

今回の記事では,誤認逮捕されてしまったときの対処法,そして誤認逮捕や通報をおこなったお店側に慰謝料を請求できるかについて解説します。

 

 

1 万引きで誤認逮捕された場合、どのように対処すればよいのか

(1)誤認逮捕と冤罪の違いとは

そもそも誤認逮捕とは,刑事事件について,犯人ではないにもかかわらず,犯人の疑いがあるとして誤って逮捕されてしまうことを言います。

似た言葉に,冤罪というものがあります。

冤罪は,刑事事件について,犯人ではないにもかかわらず,犯人の疑いがあるとして誤って逮捕されてしまうのみならず,そのまま起訴されて有罪判決が下されることを意味します。

関連記事:痴漢冤罪で逮捕された時の対処方法

 

今回は,冤罪ではなく,誤認逮捕について解説します。

 

(2)誤認逮捕されたらすぐに釈放されるのか

①否認事件は,身体拘束が長期化しやすい

捜査機関に疑われている犯罪について否認することを,否認事件と言います。

一般的な刑事事件では,逮捕されてしまえばそのまま警察に連行され,取り調べを受けます。

逮捕されてから48時間後には,検察への送致が決まります。

検察へ送致されてから24時間後,検察官は裁判官に勾留請求するか,釈放するかを決めます。

勾留請求が認められてしまったら,10日間,最長では20日間の勾留が行われてしまいます。

 

逮捕後の流れは,万引きのような窃盗事件も同様です。

誤認逮捕といえども,身体拘束が続きます。

真犯人が判明した,監視カメラに映っている人間が人違いであるなど,すぐに間違いが分かるのであれば比較的早期に釈放されるのですが,そうではない場合,かなりの長期戦になる可能性があります。

否認事件の場合は,捜査機関はなんとしても証拠を得ようとしますから,取り調べがかなり厳しくなる上に,身体拘束が長引くことが多いです。

「犯罪をしていない!」と主張している被疑者を釈放してしまっては,逃亡・証拠隠滅の恐れがありますから,なかなか認められないのが現状です。

 

②否認事件は,示談が難しい。

刑事事件における示談とは,被害者側と加害者側が、謝罪する,示談金を支払うなどの条件について合意をした上で、被害届を取り下げてもらうように解決を図ることを言います。

犯罪行為のすべてを認めない否認事件は,「犯罪をやっていません」と主張しているので,被害者に謝罪したり,解決金を支払ったりすることは,ある意味矛盾する行動です。そのため,示談は簡単なことではありません。

 

しかし,否認事件の場合でも,客観的な証拠から有罪になってしまう可能性があるなら,否認はしつつ,迷惑料のような形で,被害弁償や迷惑料の支払いを約束する示談を行うことで,実質的に被害が弁償されているとして,不起訴になるケースもあります。ただし,この場合でも,否認をしたまま,示談交渉をすることになるので,被害者からの納得が得づらく,示談交渉が難航することも多いです。

示談は釈放や不起訴にとってかなり重要なポイントとなるので,示談ができない否認事件の捜査は長期化してしまいます。

以上のことから,否認事件の場合に,一切示談活動をせずに否認を続けるか,それとも否認しつつ予備的に示談活動も行うかは,刑事事件に強い弁護士に相談するのが望ましいです。

 

(3)誤認逮捕された時の対処法

結論から言うと,誤認逮捕されてしまったら,嫌疑なし,嫌疑不十分による不起訴・釈放を目指します。

嫌疑なしとは,犯罪を行った疑いがない,ということです。

嫌疑不十分とは,犯罪を行った疑いはあるものの,裁判で有罪を得るほど証拠が揃っていない,ということです。

本来,不起訴・釈放は,仮に犯罪を行っていたとしても被害者との示談が済んでいて被害届が取り下げられていること,反省していること等,様々な事情を総合的に判断されて決定が下されますが,誤認逮捕の場合は,犯罪を行っていないことを理由に不起訴・釈放を勝ち取ることを目指します。

そのためには,捜査機関の取り調べに応じる際に以下の点に気を付ける必要があります。

①黙秘権を適切なタイミングで行使する

②供述調書の署名を慎重に行う

③供述調書の内容変更を申請することを忘れない

④違法・不当な取り調べは証拠を残しておく

 

① 黙秘権を適切なタイミングで行使する

逮捕された被疑者には,黙秘権があります。

この権利は,捜査機関に対して自分が不利になりかねない質問には答えないという防御策であり,憲法で認められた人権です。

ただし,この黙秘権をすべてに行使するのは得策とはいえません。

否定するべき事実はしっかりと否定し,その日に店にいたか?等の事実である質問については肯定しましょう。

ただ待っているだけでは捜査がかえって長引いてしまいます。

もちろん,不用意な発言をしないために「弁護士が来るまで何も話さない」との主張を行うことは有効です。

 

② 供述調書の署名を慎重に行う

取り調べでは,被疑者が供述した内容を,捜査機関が供述調書に書きます。

この供述調書は,被疑者が「上記の通り供述しました」とサインしてしまえば,裁判で証拠として提出されてしまいますから,供述した内容によっては不利に働いてしまいます。

また供述した内容は合っているが言い回しが違う等,少しでも違和感があれば,供述調書に署名を行うことを拒否しましょう。

 

③ 供述調書の内容変更を申請することを忘れない

供述調書に真実とは異なる内容が記載されているときには,内容の修正を主張するべきです。

 

④違法・不当な取り調べは証拠を残しておく

取り調べが違法・不当であった場合は、供述調書に証拠としての力がなくなることがあります。

具体的には,暴力はもちろん暴言を吐いたり,「自白すれば罪をなかったことにしてやる」などと嘘をついたりして供述を得ようとすることは違法・不当な取り調べです。

このような取り調べを受けたら,被疑者ノートなどに記録しましょう。

被疑者ノートとは、日本弁護士連合会が取り調べの内容を被疑者が記録できるようにするために作成したノートのことです。

参照:容疑を否認し続けるとどうなる?

参照:否認事件の弁護は難しい

参照:刑事事件で容疑を否認し続けるとどうなる?または黙秘を続けるとどうなる

参照:被疑者ノートの効果的な活用法

 

(4)万引きで誤認逮捕されたら,弁護士に相談しましょう

これまで誤認逮捕されてしまった場合の対処法を解説してきましたが,本人だけの力では中々難しいのが現状です。

逮捕の間は家族や友人と面会はできませんし,その後,勾留されて取り調べを受けている間,勾留されたされた被疑者には接見禁止措置が行われることがあります。

接見禁止措置がとられてしまったら,家族や友人との面会が禁止されてしまいます。

伝言すらも行えない状況で,長く続く厳しい取り調べに心が折れてしまう方も少なくないです。

そこで,誤認逮捕を含む否認事件は弁護士に依頼することをお勧めします。

 

弁護士は,接見禁止措置のもとでも被疑者と面会することが可能です。

面会の中で,弁護士は取り調べのアドバイスを行うことが出来ます。

他にも,誤認逮捕であることを主張するために弁護士が証拠を集めることも可能です。

身体拘束を受けている本人はもちろん,法律や刑事事件に精通していない家族の方が証拠を集めるのはかなり難しいです。

ぜひ弁護士に依頼しましょう。

 

2 万引きで誤認逮捕されたら、逮捕した人に罰則はないのか

誤認逮捕が判明し,釈放されたあと,お店側に謝罪されたが納得がいかない・・・・・

こんなとき,誤認逮捕・通報を行った人に罰則はないのか気になる方もいるでしょう。

 

(1)虚構申告罪

軽犯罪法第1条 虚偽申告罪
左の各号の1に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。 

(省略)
第16項 虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者

虚構とは,事実ではないことをいいます。

事実ではないのに「コンビニで万引きした人がいる」などと警察に通報したとき,この犯罪が成立する可能性があります。

拘留とは,1日以上30日未満の身体拘束のことをいい、科料とは1,000円以上1万円未満の金銭納付のことをいいます。

 

(2)虚偽告訴罪

刑法第172条 虚偽告訴罪
人に刑事罰又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。

虚偽申告罪と,虚構告訴罪との違いは,「人に刑事罰又は懲役の処罰を受けさせる目的で」告訴する点です。

あの人を前科持ちにしてやろう,あの人を刑務所に送ってやろう,という目的をもって,その人の処罰を求めるケースでは,この虚偽告訴罪が成立する可能性があります。

懲役刑のみ規定されていることから,虚構申告罪と比べて,かなり重い量刑が下されてしまうでしょう。

 

(3)業務妨害罪

前述した虚構申告罪と,虚偽告訴罪では,「嘘の通報をされたひと」が被害者でした。

日本の法律では,嘘の通報によって他人(警察官)の業務を妨害した場合にも犯罪が成立します。

この時,被害者は業務を妨害された他人(警察官)です。

 

軽犯罪法第1条 悪戯による業務妨害
左の各号の1に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。 

(省略)

三十一 他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者

業務とは、継続して従事することが予定されている事業・事務を言います。

その事業が営利目的かどうかを問いません。

嘘の通報をすると,警察官が出動する必要が生じ,その間本来であれば警察官が行っていたはずの業務が妨害されるので,悪戯による業務妨害罪は,拘留又は科料の刑が設けられています。

 

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

偽計とは,人が知らないことを利用するまたは嘘をついて騙すことを言います。

偽計業務妨害罪が成立する「業務」は,警察官などの強制力を伴う権力的な公務が含まれない,と解されています。

もっとも,インターネット掲示板に虚構の殺人事件の実行を予告し、同掲示板を閲覧した者に通報させた判例によると,警察官の行う業務すべてが強制力を伴う権力的な公務とは言い難く,通報を受けてパトカーを出動させるよう手配する事務的な作業は「業務」にあたります。(東京高判平21・3・12)

悪戯による業務妨害罪との違いは,その犯罪態様が「悪戯」の範囲かどうかが問題になります。

もちろん,行為者が「悪戯のつもり」だったとしても,犯行が悪質であれば,偽計常務妨害罪が成立する可能性があります。

 

3 万引きで誤認逮捕された後、慰謝料を請求する方法

誤認逮捕された時,通報をした人に慰謝料を支払ってもらうことは可能でしょうか?

万引き事件の誤認逮捕は,店員やその場にいた人の見間違いによっておこることが多いです。

他人の見間違い・勘違いによって長期間身柄を拘束されてしまい,学校や会社にも影響が出たり,近所の人にも見られて噂になってしまったりと,誤認逮捕による不利益は計り知れません。

そこで,精神的な苦痛を受けたとして,通報した人やお店側に慰謝料を払ってもらいたいと考える方も多いと思います。

虚構申告罪や,虚偽告訴罪が適用されるようなわざと通報したケースでは,示談の為に慰謝料の支払いがされることが多いです。

 

一方で,お店側やその場の人がうっかり見間違えてしまったような場合には,民法709条に規定されている不法行為が成立するかどうか,具体的には「過失」が認められるかが問題になります。

例えば,一人のお客さんの意見を信じて,監視カメラの確認もしないまま通報したような場合,適切な手続きに則っているとはいえませんから,過失が認められる可能性もあります。

ただ,誤認逮捕のすべてのケースでお店側の過失が認められるとは限りません。

結果的に誤認逮捕であったと分かったとき,お店の方から謝罪と共に慰謝料の支払いがされるかもしれませんが,交渉が決裂する可能性もあります。

法律に詳しい第三者として,弁護士を入れての話し合いをお勧めします。

 

4 まとめ

今回は,万引き犯に間違われて誤認逮捕された時の対処法や,通報したお店側に慰謝料を請求することが出来るのかを解説しました。

誤認逮捕されてしまったら,本人一人の力では解決するのがなかなか難しいです。

冤罪になってしまうことがないよう,できるだけ早く身柄を解放してもらえるように,早期から弁護士をつけて弁護活動を行ってもらいましょう。

誤認逮捕はいつどこで起きるか分かりませんから,可能な限りすぐに動いてくれる法律事務所に依頼することをお勧めします。

法律事務所ロイヤーズハイは,土日祝日の対応が可能な事務所です。

否認事件の経験が豊富な弁護士が,できる限りのサポートを行います。

本人またはご家族が誤認逮捕されてしまったら,法律事務所ロイヤーズハイにお任せください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク