痴漢冤罪で逮捕された時の対処方法
・痴漢していないのに、痴漢と言われて逮捕されてしまった
・捜査官から「痴漢をしたのだろう」と詰められて困っている ・痴漢えん罪で無罪を主張したいがどうしたらよいか |
電車などで、痴漢をしていないのに「痴漢!」と言われてそのまま逮捕されてしまうケースがあります。
その場合、有罪となって前科をつけないためにはどのような対応が必要となるのか、弁護士が解説します。
1 否認を貫くこと
痴漢に限らず、冤罪で逮捕されたときに非常に重要なのは「否認を貫くこと」です。もしくは「黙秘」でもかまいません。
冤罪で逮捕された場合、捜査官は「有罪」と思い込んでいます。そこで取り調べの際、捜査官は被疑者に対して非常に厳しい態度で接してきます。被疑者が否定しても「本当はやったのだろう」「そのような弁解は不合理だ」などと理詰めで責めてきたり、「自白しないと終わらない」「否認を続けていたら〇年は刑務所に行くことになる」などと半分脅しのようなことを言ってきたりすることもあります。
しかし、このような脅しに乗って嘘の自白をしてしまうと、後は有罪に向けてまっしぐらとなります。無罪を勝ち取りたければ、逮捕当初から終わりまで、否認を貫くことが必須です。
2 納得できない供述調書には署名指印しない
無罪を主張している場合でも、身上経歴などについてであれば特段問題にならないので、供述調書の作成に応じるケースはあります。ただ、供述調書には「嘘ではないが、ニュアンスが実際とは違う」ということも多いです。そのようなものに署名指印すると、実は法律的に重大な意味を持っていて、後に有罪判決の証拠に使われてしまう可能性があります。
そこで、少しでも納得できない部分があれば、その供述調書には署名指印すべきではありまえん。
3 無罪の証拠を集めること
痴漢で無罪を勝ち取るには、積極的に無罪の証拠を集める必要があります。刑事裁判は、本来は「疑わしきは罰せず」のはずですが、現実には検察官が一定の立証をすれば裁判官はその内容を信じてしまうので、弁護側が反対の立証をしないと無罪を取れなくなっているからです。
目撃者や動画撮影をしている人がいないかを探したり、線維鑑定、DNA鑑定を試したり、現場検証を行ったりして、可能な限り「痴漢をしていない」証拠を集めましょう。
4 弁護人に依頼すること
痴漢で否認を貫いたり無罪の証拠を集めたりするのは、簡単なことではありません。被疑者1人ではとうていできることではないので、弁護人に依頼することが必須です。
弁護人がついていたら、勾留中の被疑者に接見に行き、取り調べに対する適切な対処方法をアドバイスできますし、無罪のための証拠集めに奔走できます。
冤罪で有罪になるなど決してあってはならないことです。お困りでしたらお早めに弁護士までご相談ください。
このコラムの監修者
-
田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。