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【必見】検察が呼び出さないのはなぜ?不起訴になる可能性とそのワケ

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【必見】検察が呼び出さないのはなぜ?不起訴になる可能性とそのワケ

 

罪を犯してしまい,警察で取調べを受けた後,「検察から呼び出しがあるから,その時は応じるように」と言われたものの何カ月も呼び出しが来ない。

このような状況は,自分の犯罪がどうなったのか,今後どうなるのか分からず不安に感じるでしょう。

今回のコラムでは,検察から呼び出しがない理由や,呼びだしが来ない間どうすればいいのかについて解説します。

 

 

1 身柄事件と在宅事件の違い

⑴ 刑事事件の流れ

まず,原則として,成人の刑事事件の流れは以下の通りです。

被疑者が逮捕されてから,警察での取り調べを受けます。

警察は,取調べなどをもとに,逮捕の時点から48時間以内に,検察に送致するかを決定します。

検察は,送致されてから24時間以内に勾留請求を行うか否か判断します。

それまでの捜査への協力の姿勢や,反省の態度,被害者との示談の有無,逃亡可能性などが考慮されます。

裁判官が検察官の勾留請求を許可すると,そこから10日間,最大で20日間身体を拘束されてしまいます。

勾留期間までの捜査結果をもって,検察官は被疑者を起訴するかどうか決めます。

このように,刑事事件は厳しく時間制限が設けられています。その理由は,国家機関が身柄を拘束することは,個人の人権の尊重の観点からは許されないことだからです。

そのために,必要最小限度の時間での捜査が求められます。

法務所が発表した令和五年犯罪白書によると,検察庁既済事件の身柄事件率は,令和代年の時点で34.4%です。

参考:令和5年版法務省の犯罪白書 P38

 

⑵ 在宅事件とは?

一方で,身体を拘束される身柄事件とは別に,拘束されずに捜査が行われる場合があります。

このようなケースを在宅事件と言います。

在宅事件になるパターンとしては,以下が考えられます。

①逮捕された後,警察から取調べの後身柄を解放された

②警察から検察に事件が送致されたものの,検察が勾留を請求せずに解放した

③検察の勾留請求を裁判官が却下した,または準抗告が認められた

在宅事件になった場合,身柄事件のような身体拘束はありませんから,時間制限もありません。

検察から呼び出しがあると言われても何カ月も呼び出されないこともあります。

 

2 検察が呼び出さない場合とその理由とは?

検察からの呼び出しがないとき,以下の理由が考えられます。

 

⑴ 捜査に時間がかかっている

時間制限のある身柄事件とは異なり,在宅事件であれば捜査に時間がかかることは多くあります。

他の身柄事件の対応に追われていれば,やむを得ず後回しの捜査になってしまうのです。

また,検察は,確実に有罪判決を得ることが出来るレベルの証拠,供述を得てから起訴に踏み切ります。

そのため,事件が複雑で,証拠が少ない場合には,検察は起訴に踏み切ることが出来ませんから,捜査が長期化してしまいます。

 

⑵ 不起訴処分になっている可能性がある

検察からの呼び出しがない場合,すでに捜査が終結し,不起訴処分となっている可能性もあります。

法務省が公開している,令和5年版の犯罪白書によると,令和4年における検察庁終局処理人員総数の起訴率は,36.2%です。

引用:令和5年版法務省の犯罪白書 P40

不起訴には,起訴できるが情状を踏まえて起訴しない起訴猶予,犯罪の嫌疑がない,又は嫌疑が不十分な場合に決定されます。

以下のグラフにあるように,不起訴の理由の中では,起訴猶予が圧倒的に多いです。被害者との示談や,今後の生活の改善,本人の反省などが起訴猶予に繋がります。

引用:令和5年版法務省の犯罪白書 P41

不起訴となれば,刑事裁判にかけられることはなく,前科が付くこともありません。

不起訴処分になっているとき,検察から通知が来ると言うことはありません。検察官から不起訴処分の連絡が来ることもありますが,この通知は義務ではありません。

関連記事:不起訴処分になると

⑶ 不起訴処分告知書

刑事訴訟法

第二百五十九条 検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。

第二百六十条 検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。

第二百六十一条 検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について公訴を提起しない処分をした場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。

不起訴処分が確定した後,不起訴処分告知書を取得することが出来ます。

この不起訴処分告知書は,被疑者側から請求を行う必要があります。

弁護士に既に依頼を行っているのであれば,弁護士を通じて請求することが可能です,仮に相談していなくても,ご自身で請求することが可能です。

請求方法は,①郵送と②検察庁に直接取りに行く二つがあります。どちらの請求方法が良いかは,担当の検察庁に電話で問い合わせるのが確実でしょう。

不起訴処分告知書は,不起訴になったことを証明するための書類です。会社に刑事事件が知られていて,そのことが理由で懲戒処分を受けているような場合,不起訴処分告知書を提出することで,不起訴になった事実を証明することが出来ます。

その結果,懲戒処分が無くなったり,受けるとしても軽いもので済んだりする場合があります。

このほかに不起訴処分告知書が必要になる場面は,ビザの発行等が考えられます。

 

3 検察に呼び出されたら,必ず起訴されるのか?

⑴ 検察が被疑者を呼び出す理由は,取調べが多い

検察が被疑者を呼び出す理由は,ほとんどの場合,取調べを行い,起訴するかどうかの判断を行うためです。

起訴するかどうかの判断は,検察が決めることができますから,検察は自ら捜査を行う必要があります。

検察から呼び出しがないままに不起訴処分が下されることもありますが,基本的には取調べを受けることもあります。また,犯罪を否定していたり,共犯者がいたり,他の証人との供述が食い違っているような場合,捜査が長期化しやすいため,何度も呼び出されることがあります。

 

⑵ 略式起訴とは?

取調べではなく,略式起訴のために被疑者を呼び出すことがあります。

略式起訴とは,100万円以下の罰金刑,又は科料に相当する事件について,事案が簡単で明白な時,正式な裁判を開くことなく書類のみで審査を行う裁判の手続です。

正式な裁判では,期日を決め,何度も裁判に出廷する必要がありますが,略式起訴は早期に処分が決まることにメリットがあります。しかし,略式起訴は,必ず有罪となり,罰金刑又は科料に課されることに注意が必要です。

必ず有罪になり,前科が付いてしまうため,略式起訴を行うためには,被疑者が略式手続に異議がないことを確認する必要があります。

 

(3) 検察から呼び出されても,起訴が確定するわけではない

呼び出しはあくまで検察が自ら被疑者を取り調べるためです。呼び出しを受けたからと言って,起訴されるとは限りません。

もし,起訴されるのが嫌だからといって,呼出に応じなければ,逃亡・証拠隠滅の恐れがあるとして,逮捕される可能性があります。身柄事件ではなく,在宅事件で捜査を行う理由には,逃亡・証拠隠滅の恐れがないと判断されているからです。にもかかわらず,捜査に非協力的であれば,逮捕され,身柄事件となる可能性があります。

 

4 検察が呼び出さなくても,弁護士に相談するべき!

検察に呼び出されていなくても,弁護士に相談するべきです。

検察から数ヶ月に渡って連絡がなければ,いつ連絡が来るのか?どうなっているのか?このような不安な気持ちで待つことになります。そこで,弁護士に相談することで,犯した罪の重さや,当時の状況,警察への取調べの内容を踏まえた上で,弁護士が今後の見通しと検察から呼び出されたときのアドバイスを行います。

略式起訴になる可能性や,略式起訴を受け入れるべきかどうかなども相談することが出来ます。

また,検察からの呼び出しを待つ間でも,不起訴処分を得られるようにできるだけのことをするべきです。弁護士に相談することで,被害者との示談活動をおこなったり,自分が反省していることを主張したり,今後の生活の見直しをアドバイスしてもらえます。

 

5 まとめ

今回のコラムは,検察から呼び出しがない理由や,呼び出しが来ない間どうすればいいのかについて解説しました。

検察から呼び出しが来ないからと言って,不起訴が確定したわけではありません。在宅事件であれば,数ヶ月間の間捜査が行われていることも十分あり得ます。その間,検察から呼び出しがないからと言って何もせずにただ待っているよりは,できるだけ有利な事情を集めるようにしましょう。刑事事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。

法律事務所ロイヤーズ・ハイは,大阪市・難波(なんば)・堺市・岸和田市・神戸に事務所を構え、夜間・休日の対応も可能な法律事務所です。刑事事件の経験が豊富な弁護士が多数在籍し、迅速な対応が可能です。

ご不安に思われている方はぜひ,法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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