【必読】警察から携帯に電話がかかってくる理由と対処法 - 刑事事件に強い大阪の弁護士法人ロイヤーズハイ

弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイ
大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の 刑事事件 加害者側専門サイト

【必読】警察から携帯に電話がかかってくる理由と対処法

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク

 

 

仕事の休憩中に見知らぬ番号から不在着信が入っており,留守電を聞くと,どうやら警察からの電話であると判明したら,あなたはどうしますか?今回の記事では,警察から電話がかかってくる理由と,その対処法を解説します。

 

 

1 警察から携帯に電話がかかってくる様々な理由

 

警察から電話がかかってきたとき,身に覚えがなかったとしても不安になってしまうものでしょう。

しかし,必ずしもあなたの身に何かが起きたり,刑事事件に巻き込まれたりというわけではありません。

その要件は次のようなものが考えられます。

 

⑴落とし物の連絡

例えば,運転免許証やその他の身分証明書入りの財布を無くした場合,その情報を確認した警察から,電話がかかってくることは多々あることです。

「落とし物を預かっています。」と言われたら,どこに行けばいいか,何をもっていけばいいかを聞いて,その場所に受け取りに行きましょう。

 

⑵家族が事故・事件に巻き込まれた

家族が事故や事件に巻き込まれてしまったら,警察から連絡があることがあります。

事故や事件はもちろん,自殺や孤独死の場合にも,警察から連絡が来る可能性があります。

突然のことで,取り乱すかもしれませんが,家族が事故や事件に巻き込まれたという連絡があったら,すぐに指定された警察署へ行きましょう。

 

⑶刑事事件の参考人として呼び出されている

自身は何もしていなくても,刑事事件の参考人として,警察から呼び出されることがあります。

参考人とは,事件の目撃者や,被疑者の知人など,刑事事件について参考となる情報を持っているであろう人をいいます。参考人は,捜査機関から取り調べを受けます。

似た言葉に,重要参考人というものがありますが,これは後々被疑者として捜査される可能性がある人のことを言います。

捜査機関は,捜査の必要に応じて,被疑者以外の人に対して出頭を求め,取り調べをすることが出来ます。

 

刑事訴訟法

第二百二十三条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。

② 第百九十八条第一項但書及び第三項乃至第五項の規定は、前項の場合にこれを準用する

取り調べに応じた参考人の供述は,供述調書にまとめられ,後の捜査,裁判で証拠として扱われます。

あくまでも任意の取り調べでですので,拒否しても逮捕されることはありませんが,重要な証拠となる可能性がありますので,出来る限り協力しましょう。

しかし,被疑者が知人だから,自分も疑われるのが嫌だからと言って,嘘の供述をすることは,犯人隠避罪になる可能性があるので,注意してください。

 

(犯人蔵匿等)

第百三条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する

隠避とは,蔵匿以外の方法によって、官憲による発見・逮捕を免れさせる一切の行為を言います。犯人をかくまう以外の方法で,犯人を逃がすことや,逮捕されないようにすることは,隠避に該当します。

 

量刑は,三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金です。

実際に,犯人と口裏を合わせて虚偽の供述をする行為が,隠避させたにあたるとする判例が,平成29年 3月27日最高裁第二小法廷にあります。

平成29年 3月27日最高裁第二小法廷

【主文】

被告人を懲役1年6月に処する。

【事案】

Aは,平成23年9月18日午前3時25分頃,普通自動二輪車(カワサキZEPHYR。以下「A車」という。)を運転し,信号機により交通整理の行われている交差点の対面信号機の赤色表示を認めたにもかかわらず,停止せずに同交差点内に進入した過失により,右方から普通自動二輪車を運転進行してきたBを同車もろとも路上に転倒・滑走させ,同車をA車に衝突させ,よってBに外傷性脳損傷等の傷害を負わせる交通事故(以下「本件事故」という。)を起こし,その後Bを同傷害により死亡させたのに,所定の救護義務・報告義務を果たさなかった。

被告人は,自ら率いる不良集団の構成員であったAから同人が本件事故を起こしたことを聞き,A車の破損状況から捜査機関が前記道路交通法違反及び自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであることを突き止めるものと考え,Aの逮捕に先立ち,Aとの間で,A車は盗まれたことにする旨の話合いをした。

Aは,前記(1)に係る各被疑事実により,平成24年7月8日通常逮捕され,引き続き勾留された。被告人は,その参考人として取調べを受けるに当たり,警察官から,本件事故のことのほか,AがA車に乗っているかどうか,A車がどこにあるか知っているかについて質問を受け,A車が本件事故の加害車両であると特定されていることを認識したが,警察官に対し,「Aがゼファーという単車に実際に乗っているのを見たことはない。Aはゼファーという単車を盗まれたと言っていた。単車の事故があったことは知らないし,誰が起こした事故なのか知らない。」などのうそを言い,本件事故の当時,A車が盗難被害を受けていたことなどから前記各罪の犯人はAではなく別人であるとする虚偽の説明をした。

前記の事実関係によれば,被告人は,前記道路交通法違反及び自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら,同人との間で,A車が盗まれたことにするという,Aを前記各罪の犯人として身柄の拘束を継続することに疑念を生じさせる内容の口裏合わせをした上,参考人として警察官に対して前記口裏合わせに基づいた虚偽の供述をしたものである。このような被告人の行為は,刑法103条にいう「罪を犯した者」をして現にされている身柄の拘束を免れさせるような性質の行為と認められるのであって,同条にいう「隠避させた」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和63年(あ)第247号平成元年5月1日第一小法廷決定・刑集43巻5号405頁参照)。

 

⑶刑事事件の被疑者として呼び出されている

刑事事件の被疑者(犯人)であると疑われ,警察から事情聴取の呼出の電話がかかってくることがあります。

被疑者として呼び出された後は,捜査機関による取り調べを受けることになります。

そのまま逮捕され,身柄を拘束されるか,逮捕はせずに在宅事件となるかは,事件ごとに異なります。

 

⑷警察を騙った詐欺

警察からの電話が,警察を騙った詐欺の可能性もあります。

現金を振り込ませようとしてくる,キャッシュカードやクレジットカードの提出を求めるような電話は,詐欺の可能性があります。

怪しいと思ったら,その電話を切り,電話番号が警察署の番号かどうか,ホームページ等を見て確認しましょう。

 

2 携帯に警察から電話がかかってきていたら折り返すべき?

警察からと思われる電話に出ることが出来なかったとき,折り返しの電話をするべきでしょうか。

落とし物や家族の安否に関わる重要な電話であれば,折り返す必要があります。

また,参考人として任意の事情聴取の呼出の電話であったとしても,参考人の供述が重要な証拠となる可能性がありますので,折り返しの連絡をするべきです。

では,自身が刑事事件の被疑者として取り調べに呼び出されているような場合,折り返しをするべきでしょうか?

 

結論から言うと,折り返しの電話をするべきです。

なぜなら,捜査機関は,被疑者本人に連絡が取れないとなると家族や職場に連絡を行います。

犯罪について家族や職場に知られたくない人が殆どでしょうから,きちんと折り返しの電話を入れることで,自分以外に連絡がいくことを防ぐことが出来ます。

 

また,刑事事件において,逮捕するかどうかは,被疑者の逃亡や証拠隠滅の可能性を考慮して決まります。折り返しの連絡を入れ,取り調べに応じる姿勢があることを見せることは,寛大な処分に繋がるでしょう。

参考:逮捕されると職場にバレてしまう?職場にバレない方法って?

 

3 警察から携帯に電話がかかってきたときの対処法

警察から電話がかかってきたときは,どうすればいいのでしょうか。

 

(1)警察官の情報と要件を聞く

まずは,電話をかけてきた捜査官の情報と電話の用件を聞きましょう。

警察署名,所属,氏名,電話番号を聞き,メモをしましょう。

この情報は,後に取り調べを受けたりするときに余計な時間を省くためにも必要です。また,詐欺かどうか確かめるためにも,どこの誰が電話してきたのか知る必要があります。

 

(2)電話を録音する

警察官との電話は録音していても問題にはなりません。

むしろ,警察からの電話が高圧的であったり,脅しのようなときは,録音することをお勧めします。

法律上,違法な捜査によって得た証拠は,証拠として使用することが出来ません。警察からのこのような電話の録音は,違法な捜査があったことの証拠になる可能性があります。

 

4 警察から被疑者として呼び出されたらすぐに弁護士にご相談を

警察から電話がかかってきて,自分が刑事事件の被疑者として呼び出されていることが分かったら,すぐに弁護士に相談をしましょう。

もし身に覚えがなくとも,身に覚えがないことを理由に取り調べを拒否することは出来ません。逃亡,証拠隠滅の恐れがあるとして,逮捕されてしまう可能性もあります。

そこで,身に覚えがなくとも弁護士に相談することで,取り調べの際のアドバイスを受けることが出来ます。

取り調べによって供述した内容は,供述調書として証拠になります。

 

もっとも,被疑者の署名がない供述調書は証拠にすることが出来ません。そこで,被疑者は,供述証書の内容をよく確認して,自分の供述と異なる箇所や,表現が違う箇所があれば,修正を希望し,修正されなければ署名しないという対応を取ることが出来ます。一度署名してしまえば,後から覆すことは困難です。

参考: 取り調べの実態とコツ、有利に進めるための3つのポイント

 

また,取り調べに応じた後,そのまま逮捕される可能性があります。事前に弁護士に相談することで,弁護士が早い段階で弁護活動を行うことが出来ます。

刑事事件は,逮捕されてから48時間以内に検察官に送致され,そこから24時間以内に,勾留請求を行うか否か判断されます。裁判官が検察官の勾留請求を許可すると,そこから10日間,最大で20日間もの間身を拘束されてしまいます。

このように,非常に短い時間で長期の身柄拘束が決定されてしまいますから,刑事事件は,時間との戦いです。

 

警察から電話がきて,刑事事件の被疑者として呼び出されたら,すぐに弁護士に相談しましょう。

法律事務所ロイヤーズハイは,休日・夜間でも対応が可能です。事務所は,難波・堺・岸和田と,大阪の主要な場所にあり,アクセスも良いです。刑事事件の実績が豊富な弁護士が在籍しております。

自分が刑事事件の被疑者として疑われているかもしれないと不安に思われる方は,是非法律事務所ロイヤーズハイにご相談ください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク