窃盗罪で捕まったとき、初犯の場合は?罪の重さは?不起訴を勝ち取るためには?
身近な犯罪のひとつといえる「窃盗罪」。他人のものを盗んだり、万引きしたりすると、基本的には窃盗罪に問われます。しかし、身近な犯罪にもかかわらず、その罪の重さや時効などを詳しく知っている人は稀ではないでしょうか。今回は、窃盗罪で捕まったときの罪の重さや、逮捕されたあとの流れについて詳しく解説します。
1 窃盗罪とはどんな罪か?
まず窃盗罪そのものがどのような罪なのかを整理しておきましょう。
窃盗とは、少し難しい言葉でいうと「窃取行為」によって「財物の占有移転」をさせることを指します。
窃取行為とは「他人の意思に反して財物の占有を移転させようとする」行為のこと。この窃取行為の結果、他人のお金や金品、その他何らかの価値があるものを、自分の占有下に置くのが窃盗と考えてください。
また、この行為の中に「故意」や「不法領得の意思」があると、窃盗罪とみなされます。
故意とは、簡単にいえば「他人に迷惑をかけたり、権利を侵害したりする行為だと知っていること」です。要は「知っていて、わざとやっている」と考えて良いでしょう。
また、「不法領得の意思」とは、「他人のものを自分のもののように扱い、そこから経済的な効果を得ようとする意志」です。
この4つがそろったときに窃盗罪は成立し、刑法で定められた刑罰が科されます。
(窃盗罪の構成要件) ・窃取行為 ・財物の占有移転 ・故意 ・不法領得の意思 |
2 窃盗罪で捕まったときの刑罰は?時効は何年?
刑法では、窃盗罪の刑罰を「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定めています。
第二三五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する |
つまり、初犯では無かったり悪質だったりすると、懲役刑に処される可能性が十分にあるということですね。また、窃盗罪は、犯罪行為があってから7年を超えた段階で時効になります。時効とはつまり「検察が起訴できなくなる状態」と考えてください。
3 窃盗罪で捕まった!初犯でも懲役になる?
窃盗の内容にもよりますが、窃盗の結果が重大ではなく、住居侵入などを伴っていない場合であれば、不起訴や執行猶予付き判決になることが多いでしょう。
しかし、盗んだものの金額が大きかったり、空き巣のように不法に住居に侵入していたりと悪質さが目立つようならば、初犯であっても懲役刑(実刑)になり得ます。ただし、窃盗はその犯罪の性質から、被害者と示談を成立させられる余地があります。
示談が成立しているか否かで、不起訴や執行猶予付き判決になる可能性が大きく変わるため、早急に示談を成立させなくてはなりません。
繰り返すようですが「初犯だからといって必ず不起訴・執行猶予になるわけではない」ということですね。犯罪行為の内容・結果や示談の成立などが重要です。
4 窃盗罪で不起訴・執行猶予を勝ち取るために
万が一窃盗罪で逮捕されてしまうと、最大で23日間の勾留が発生します。23日間の内訳は、以下の通りです。
・逮捕後、48時間以内に検察へ送致 ・検察は24時間以内の勾留の要否について判断を下す ・勾留が決定すると原則10日、延長込みで最大20日もの間、身柄を拘束される |
また、検察が起訴処分が妥当であると判断すると、99%の確率で有罪判決が下されます。
これは、窃盗に限らず、日本の刑法犯の特徴なのです。
したがって、出来る限り起訴を回避することが重要です。また、起訴されてしまったら執行猶予判決を勝ち取るために全力を尽くすべきでしょう。これには、前述したように被害者と示談を成立させておくことが必須です。
本人が身柄を拘束されている間、被害者との示談交渉を行えるのは弁護士だけです。弁護士のサポートがなければ、有罪判決・懲役刑になる確率は跳ね上がるでしょう。
本人や家族が窃盗罪に問われる可能性があるならば、一刻も早く弁護士に相談してみてください。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。