職務質問は任意だから対応する必要がない? | 大阪難波(なんば)・堺の刑事事件に強い弁護士|弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイ

職務質問は任意だから対応する必要がない?

 
「職務質問は任意なはずなのに、実際は断ることはできないんじゃないか?」と思っている方もいるのではないでしょうか。確かに職務質問は任意(正確には非強制)ですが、特別な事業がない限り職務質問への対応を拒否してその場を離れるのは難しいでしょう。この記事では職務質問を断るのが難しい理由や、職務質問の法的根拠などについて解説します。
 

結論|職務質問は任意だが、断ると逆に時間がかかる

職務質問は任意であるため必ずしも応じる義務はありません。現場から離れるなり家に帰るなりするのは個人の自由です。

一方で、警察は強制はできませんが(社会通念上認められる範囲内で)説得と追跡が可能です。したがって、職務質問に応じない場合は説得を受け続けることになるため、よほど交渉ごとに長けた人や、やむを得ない理由がある人でない限り、断り続けることで逆に時間を浪費しかねません。

時間を無駄にしないことを最優先に考えるのであれば、職務質問に応じるのが合理的です。
 

職務質問にはどんな意義があるのか?

とはいえ、何もしていない人からすれば職務質問によって疑われているような気になったり、時間を浪費したりするのは気持ちの良いことではありません。

ここで、職務質問の目的や意義について少し考えてみましょう。職務質問の目的の1つは、犯罪の予防です。無実の人が職務質問をされることはもちろんですが、その影で犯罪が未然に防がれ、人が傷つかずに済んでいることもまた事実です。

仮に、職務質問は任意だから簡単に断れる世の中だったとしましょう。この場合、極端な話これから通り魔をやろうとしている人であっても、「任意だよね?」といって職務質問を断り、目的を遂げることができるでしょう。

何もしていない人が職務質問をされていることも事実ですが、このような警察の努力によって日本の治安が維持されていることもまた事実です。

詳しく知りたい方向け|職務質問の概要

「そもそも職務質問って具体的にどういう行為なんだろう?」という方に向けて、ここでは条文を引用しつつ職務質問についてさらに詳しく解説していきます。
 

職務質問とは

職務質問とは、何らかの犯罪をこれから起こしそうな人、もしくはすでに起きた犯罪について何か知っていそうな人を一定の場所に停止させたり、別の場所への同行を求めたりした上で必要な質問を行うことを言います。

警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
引用:警察官職務執行法第2条1項

職務質問をされると、「不審者だと思われたんじゃないか?」と感じることもあるかもしれませんが、条文を見ると不審者だけでなく事件の参考人も職務質問の対象になっていることがわかります。
 

職務質問はあくまで任意

職務質問が任意と言われる根拠となっている条文が下の警察官職務執行法第2条3項です。

前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
引用:警察官職務執行法第2条3項

厳密には、任意ではなく非強制と考えるのが正確な理解になります。

「強要されることはない」という言葉をどう解釈するかが問題になってくるのですが、判例では警察官が不審者の肩に手をかけて停止させたような行為も適法であるとされており、任意だからといって断ればそれでその場から立ち去れるかといえばそうではなさそうです。

仮に適法の範囲を逸脱するような職務質問がなされたとしても、誤認逮捕や冤罪をかけられて刑事事件にでもなっていない限りは、わざわざ裁判をしてその違法性を追及するというのはやはり現実的ではありません。
 

強制捜査をするには令状が必要

ここで、警察が強制的に行える行為について少し補足します。警察は一定の法的根拠をもとに、逮捕や差し押さえといった強制捜査が可能です。しかし、例えば警察が誰かを逮捕したとします。逮捕をすると、その対象は本人の意思に関係なく身体の自由が奪われるため、正当な理由なく逮捕をするのは人権侵害となってしまいます。

逮捕は他人の自由を奪う行為でもあるため、一定の条件を満たしている必要があります。警察が誰かを逮捕するためには、事前に裁判官に令状請求をし、逮捕令状を得る必要があります。逮捕令状を発布するには、犯行を起こした疑いがある人(被疑者)に証拠隠滅や逃亡の恐れがなければなりません。このような手続きがあって初めて、警察は強制的に行政権を行使できるようになります。
 

職務質問をされた際にやってはいけないこと

職務質問から逃れるために、警察官を押し除けるなどするのは避けましょう。最悪の場合、公務執行妨害として3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処される恐れがあるためです。

さらに、公務執行妨害にあたる行為をすると、現行犯逮捕される恐れもでてきます。現行犯逮捕は証拠隠滅や逃亡の恐れを防ぐために、現行犯であれば逮捕令状がなくても逮捕できるというものです。

もちろん軽いいざこざで実際に身柄拘束をされたり刑事罰の対象になったりすることは考えにくいでしょうが、警察署への同行をさせる口実になることも考えられます。自身の立場が不利になってしまいますので、職務質問を断ろうとする際に警察官に触れるのは避けるべきです。
 

職務質問でトラブルになり、逮捕されそうなときにやるべきこと

職務質問がきっかけで警察といざこざになり、無実の罪で逮捕される可能性もゼロではありません。職務質問で治安が保たれていることは事実ですが、全ての誤認逮捕や冤罪をなくすのは非常に難しいことです。そのため、いざというときは自分の身は自分で守る必要があります。

被疑者が容疑を否認する事件の場合は、取り調べや身柄拘束が長引いたり、刑事弁護が難しくなったりすることも考えられます。最悪の事態になった際にやるべきことは、次の2つです。
 

  • 1.証拠を残しておく
  • 2.(逮捕されそうな場合は)弁護士を呼ぶ

 

証拠を残しておく

刑事裁判で無罪を主張する方法の1つに、捜査の違法性を指摘する方法があります。職務質問が違法な手段でされる可能性もゼロではないので、万が一逮捕されそうになった際は、スマートフォンで録音するなどして証拠を残しておくようにしましょう。
 

(逮捕されそうな場合は)弁護士を呼ぶ

公務執行妨害をしてしまうリスクを避けるためにも、自力で警察から逃げようとしたり、反抗したりといった行動は慎むべきです。逮捕が不可避な状況であれば、自力で何とかしようとせずに弁護士を呼ぶようにしましょう。弁護士を呼ぶことで、被疑者に証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを主張し、逮捕を免れられる場合があります。仮に逮捕された場合でも、初動が早くなるので身柄拘束の期間を短くしやすいでしょう。

繰り返しになりますが、上記の対応はあくまで逮捕に至るような、最悪の状況のときに行うべきものです。弁護士費用もかかりますので、通常の職務質問をされている以上は証拠を残したり弁護士を呼んだりする必要はありません。
 

まとめ

職務質問は任意だからといって、理由なくその場から立ち去れるかといえばそんなことはありません。職務質問をされた際は、反論したり反抗したりせずに素直に応じるのが賢明です。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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