増加する児童へのわいせつ行為 | 大阪難波(なんば)・堺の刑事事件に強い弁護士|弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイ

増加する児童へのわいせつ行為

近年、児童へのわいせつ行為に関する事件・被害が増えてきています。児童へのわいせつ行為にも様々な種類がありますが、近年はSNSを通したわいせつ行為も増えています。

そこで今回は、増加する児童へのわいせつ行為について、どれくらい増加しているのか、児童へのわいせつ行為を行うとどうなってしまうのかなど、詳しく解説していきます。

 

“わいせつ行為”とはどんな行為が該当するのか?

わいせつ行為とは、主に体を触ったり衣服を脱がせたり、キスなどが該当します。
性交渉は含まれておらず、広義的な意味で用いられることもある一方、みだらな行為(淫行)には性交渉が含まれています。

よく報道において「わいせつ行為」と取り上げられることがあったり、「みだらな行為(淫行)」と説明されたりするのは、こういった区別がされていると思って良いでしょう。

性的感情

公序良俗は公的な秩序や善良の風俗を略した言葉であり、公序良俗に反する罪というのは一般的に常識的・社会的に許されない行為への罪を指します。特に不特定多数へのわいせつ行為は、特定の被害者はいないものの公序良俗に反する罪に該当することになります。

主に公然わいせつ罪やわいせつ物頒布罪、児童買春・児童ポルノ、のぞき・盗撮が分類されます。

性的自由

特定の被害者が存在するような性犯罪、例えば強制性交等罪や強制わいせつ罪などはこちらに該当します。わいせつな行為というよりも、暴力的犯罪に分類されることが多いです。
その他、痴漢も性的自由に関連する罪になる場合があります。

 

児童の犯罪被害件数

平成15年から平成24年の約10年間で、児童(13歳未満)が対象の犯罪被害件数は減少傾向にあります。

しかし、全ての犯罪被害件数のうち児童の被害件数の割合は増加傾向にあるのです。
しかも児童の被害件数割合が多い罪種は、略取・誘拐に次ぎ強制わいせつや強姦となっています。児童の犯罪被害件数は減っているものの、わいせつ行為や性犯罪の件数は増えてしまっているのです。

一番多く見られる略取・誘拐もわいせつ目的で行われる可能性もあるため、早急な対策が必要と言えます。

SNSを通した児童へのわいせつ行為も増えている

近年は児童にもスマートフォンを持たせ、連絡が取りやすい状態を作っているご両親も多いかと思いますが、児童がスマートフォンからSNSを利用することでわいせつ行為の被害が増えてしまっています。
どのような事例があるのか、ご紹介していきましょう。

自画撮り被害

女子児童がSNSで知り合った男と親しくなり、スマホの無料通信アプリを使って自分の裸写真や動画を送信させられていました。
一度恥ずかしい写真や動画を送ってしまうと、それをネタにしてさらなる要求をしてくる可能性があります。
また、自画撮り被害は女子児童だけでなく男子児童も被害の対象となっています。

誘拐被害

女子児童がSNSで知り合った男に悩み相談をしていたところ、男から言葉巧みに誘い出され、そのまま加害者の自宅に連れ込まれるという誘拐事件も起きています。
SNSだと相手の素性が分からないままやり取りすることになりますが、多くの児童はそういった認識が薄く、わいせつ行為や性犯罪に巻き込まれてしまう可能性があります。

 

児童へのわいせつ行為に対する認識と刑罰

児童へのわいせつ行為や性犯罪は悪質なものも多く、何がわいせつ行為に該当するのか、そしてどんな刑罰を科せられてしまうのか把握しておくことが大切です。

同意の有無は関係ない

まず、児童へのわいせつ行為を行って逮捕されてしまった際に「相手から同意を得た」と言って罪から逃れようとするケースがあります。

実際に児童から同意があったのかもしれませんが、児童は判断能力が未熟だと考えられるため、例え同意があったとしても強制わいせつ罪は成立してしまいます。

逆に、強制わいせつ罪(現在は不同意わいせつ罪)が成立しないケースもあります。

不同意わいせつ罪では、16歳未満だと認識していなかった場合です。強制わいせつ罪では13歳未満だと認識していなかった場合でした。

ここからは不同意わいせつ罪に2023年7月13日から法改正されておりますので、それを前提にお話しします。

16歳未満の場合

16歳未満の児童とわいせつ行為をした時は基本的に不同意わいせつ罪が成立しますが、「16歳未満だとは知らなかった」場合、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)は成立しなくなります。

例えば、児童が16歳以上だと嘘をつき、同意の上でわいせつな行為を行ったとして、後から15歳だったと発覚すると16歳未満という認識がなかったということになり、不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)は成立しなくなるのです。

刑事事件になった場合、本当に16歳以上だと思っていたかどうかが焦点となります。

また、性交相手が13歳から15歳までの間の場合には、「その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る」とされているので、行為者が性交相手の女児の誕生日から5年未満に生まれてた場合には、不同意性交罪は成立しません。

なお、万が一不同意わいせつ罪(強制わいせつ罪)が成立しなかった場合でも、18歳未満であると認識してわいせつ行為に及んでいれば、淫行条例違反や児童ポルノ法違反が成立することになるため、全く罪に問われないわけではありません。

罰則に関して

児童へのわいせつ行為を行った場合、刑罰は通常の不同意わいせつ罪や強制わいせつと変わらず懲役6ヶ月~10年が科せられます。

ただし、実際に下される判決事例を見ると、13歳以上の被害者への強制わいせつと比較して罪が重くなる傾向にあります。

これは、児童へのわいせつ行為は今後の生活や人間関係において甚大な影響をもたらしやすく、悪質であると評価されてしまうためです。

 

SNSを通した児童へのわいせつ行為を防ぐには?

児童がSNSを利用すること自体が悪いわけではないのですが、素性が分からない相手も多いSNSだと犯罪に巻き込まれるリスクも高まります。

児童へのわいせつ行為を防ぐためにも、SNSやスマートフォンの使い方は改めてルールを確認し、安全な使用を心掛けなくてはなりません。

フィルタリングを活用する

フィルタリングとは、児童にとって不適切なサイト・サービスを排除し、安全な情報だけを届ける機能を指します。
児童が安全にスマートフォンやインターネットを使うためにも必要な機能と言えます。
青少年インターネット環境整備法においても、携帯電話を販売する店舗側に対して新規契約時に必ず青少年確認とフィルタリングについて説明する義務もあるので、スマートフォン利用時にはフィルタリングを設けるようにしておきましょう。

スマートフォンを使う時のルールを設ける

フィルタリングは犯罪やトラブルのリスクを全て回避できるわけではありません。
そのため、各家庭でスマートフォンを利用するルールを作った方が安心です。
例えば、接続したサイトやダウンロードするアプリは安全か、必ずご両親がチェックできるようにする、知らない人とメールや通話などのやり取りをしない、利用する時間を決めるなどが挙げられます。
また、ルールを守れなかった場合のルールもあらかじめ用意しておくと良いでしょう。

 

まとめ

児童へのわいせつ行為を行った加害者は繰り返し似たような犯罪を行ってしまうケースも多いです。

児童へのわいせつ行為もSNSなどを通して増加傾向にあるため、身近な大人たちが性犯罪から子ども達を守れるようにしていく必要があります。

もしも児童へのわいせつ行為が発覚した場合、早めに警察へ相談するようにしましょう。
また、画像や動画を送信するような児童ポルノ関連の被害に遭ってしまった場合、人権に関わる問題へ発展する可能性もあるので、法務省が設置している人権擁護機関(子どもの人権110番、みんなの人権110番など)へ相談することも大切です。

今後、少しでも児童へのわいせつ行為に関連する事件が減っていけるように、対策を講じていきましょう。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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