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結婚詐欺で詐欺罪は成立する?逮捕されたあとは?

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互いに惹かれあい落ちていく恋愛。
ところが、すべての恋愛が順調に進むとは限りませんよね。
中には結婚を前提として交際していたにもかかわらず、破局してしまうケースも少なくありません。
このとき、相手からお金を受け取っていて「結婚詐欺だ!」と言いがかりをつけられてしまったとしたら……。
一体、どのような場合に結婚詐欺が成立するのでしょうか。罪の重さも含めて解説します。

 

1 結婚詐欺はどのような場合に成立するの?

⑴詐欺罪の構成要件

一般に詐欺罪が成立するには、欺く行為(だます行為)、錯誤(勘違い)、処分行為(たとえば、お金を渡す行為)、財物の移転が必要です。
また、これら一連の流れに因果関係(原因と結果の関係)があることも求められています。
典型的なケースとしては、商品を売るつもりがないのに「10万円で売る」と相手をだまして勘違いさせ、10万円を渡してもらったという事案が考えられます。
しかし、もし相手が商品を売ってもらえないことを知りながら10万円を渡したのであれば、詐欺罪は未遂にとどまります。

 

⑵結婚詐欺罪の成立するケース

これを結婚詐欺にあてはめてみましょう。
結婚式をあげるつもりもないのに「結婚式の費用として100万円欲しい」と相手をだまし、勘違いさせ、100万円を受け取ったとします。
この場合は、詐欺罪が成立するでしょう。

 

このような「だます行為」は、相手に財産を処分させるような性質のものであれば、どんな行為でも構いません。
たとえば、その気がないのに
「結婚して一緒に店を開くためのお金をくれ」
「妻への手切れ金として50万円必要だから用意して欲しい」
などと伝える行為も「だます行為」に当たる可能性があります。
逆にお金を受け取るなど何らかの経済的な動きがなければ、どれだけ相手が勘違いしても詐欺罪は成立しません。

 

結婚詐欺は、そのつもりがないのに「結婚する」と嘘をついた人間を処罰する犯罪ではないのです。
「結婚を餌に、経済的な利益を得た人間」を罰する犯罪です。
簡単に言うと「お金やモノをだましとられているかどうか」といったポイントがあるわけですね。
ただし、お金やモノが動いていても詐欺罪に該当しないこともあります。

 

自らお金を要求していなくても相手の方から「少しでも生活が楽になるように」とお金を提供されるケースです。
このような場合、お金を受け取った経緯や受け取った側の言動などを総合的に考慮し、詐欺罪が成立するかどうかを判断します。
しかし、基本的に詐欺罪は成立しません。

 

たとえば、本当にお金に困っていたときに偶然、裕福な人と巡り合ったとしましょう。
さらに相手から「結婚までのつなぎ資金」という名目で毎月50万円手渡され続け、結果的にお別れすることになったとします。
結果だけを見ると結婚詐欺と似ていますが、相手の完全な善意がベースにあるため、詐欺罪は成立しないでしょう。

結婚詐欺は刑事罰の対象か

 

2 結婚詐欺で逮捕されるとどうなるの?

刑法246条1項をみると詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
罰金刑はありませんが、詐欺罪によって得た利益があれば、没収や追徴によって返すことを求められます。

刑法 246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

 

法務省が公表している「検察統計」というデータによると、詐欺罪の近年の起訴率は約60%前後です。
仮に起訴されて執行猶予が付かず実刑判決を受けた場合、その期間は約1年から3年が多いものの、被害者の人数や計画性の有無、被害金額の多寡、被害者との示談の有無などによって罪の重さが変わってきます。

 

3 立証が困難な結婚(恋愛)詐欺だからこそ弁護士に依頼を!

結婚詐欺に限らず、総じて詐欺罪は立証が困難であるとされています。
それは、傷害罪のように犯罪の成立が客観的に明らかなものではなく、加害者の内面・精神的な状況が犯罪の成立に大きく関わっているからです。

 

もしあなたが真剣に恋愛をし、相手との結婚生活を思い浮かべ、結婚資金としてお金を受け取ったのならば、詐欺罪は成立しません。
また、同時期に付き合っていた人が相手だけであり、職業や本名などをありのまま伝えていたとすれば、真剣に交際していたと認められやすくなるはずです。ただし、前述したように人間の内面や精神的な状況が関与するため、疑いは晴らすのは容易ではないのです。

 

そのため、結婚詐欺の疑いを晴らすには、プロのサポートが必要になってきます。
弁護士に依頼すると、依頼者の希望に応じて示談交渉を進めてくれるうえに、依頼者側から説明された一連の経緯を評価してくれます。
そのため、依頼者にとって有利な結論にたどり着きやすくなるのです。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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