あおり運転はどんな刑罰に該当しますか? - 刑事事件に強い大阪の弁護士法人ロイヤーズハイ

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あおり運転はどんな刑罰に該当しますか?

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1 はじめに

自動車に乗っていると,後ろで走っている自動車にあおられるという経験をした人はいると思います。また,あおり運転による事故がしばしばニュースで取り上げられます。

では,あおり運転はどのような犯罪にあたるのでしょうか?

以下では,あおり運転により成立しうる刑罰やあおり運転の被害に遭った場合の対策について解説していきます。

関連記事:あおり運転の法律が変わったの?

 

2 あおり運転とは

あおり運転とは,道路を走行する自動車,自動二輪,自転車に対し,周囲の運転者が何らかの原因や目的で運転中にあおることによって,道路における交通の危険を生じさせる行為をいいます。

具体的には,次の場合にあおり運転にあたります。

 

⑴車間距離を狭める,近寄る,幅寄せ

危険な程度に車間距離を狭めたり,近寄ったり,幅寄せを行う行為はあおり運転にあたります。

 

⑵道路を譲るように強要する

周囲の車両に対し,道路を譲るように強要する行為はあおり運転にあたります。

 

⑶追い回す

前を走っている自動車を追い回すと追突や接触の危険が高いのであおり運転にあたります。

 

⑷割り込んで急ブレーキをかける

他の自動車に割り込んで急ブレーキをかける行為は追突の危険があり,あおり運転にあたります。

 

⑸ハイビームをしたり,パッシングをする

ハイビームやパッシングにより,他の自動車の運転手が周囲を見にくくなり危険な状態になります。そのため,このような行為もあおり運転にあたります。

 

⑹クラクションをかける

クラクションをかけてプレッシャーをかけることも危険な運転を誘発させる行為であるのであおり運転にあたります。

 

⑺罵声を浴びせる

窓を開けて,相手に罵声を浴びせたり,暴言を吐く行為もあおり運転にあたります。

 

3 あおり運転で成立する犯罪

⑴道路交通法違反

道路交通法26条は次の通り規定しています。

車両等は,同一の進路を走行しているほかの車両等の直後を進行するときは,その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を,これから保たなければならない。

 

これによれば,あおり運転によって前の車と車間距離を詰めすぎると,同条に違反することになります。

そして同条違反の場合には,高速道路の場合,3年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法119条1項1号の4)。また,一般道の場合には5万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法120条1項2号)。

 

⑵暴行罪

刑法208条は暴行罪について次の通り規定しています。

暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料に処する。

 

暴行罪における暴行とは不法な有形力の行使をいい,あおり運転のように幅寄せをした場合には,不法な有形力として暴行にあたります。

 

⑶危険運転致死傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条4号は次の行為を禁止しています。

人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に侵入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。

 

例えば,非常に速い速度で車に急接近をするようなあおり運転により,人を負傷させたり,死亡させたりした場合には,危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

これらの行為により,人を負傷させた場合には15年以下の懲役に処される可能性があり,人を死亡させた場合は1年以上の懲役に処される可能性があります。

最近では,危険運転致死傷罪により懲役18年の判決が言い渡された事案もあり,ワイドショーでも取り上げられました。

 

⑷殺人罪

あおり運転により人を死亡させた場合には,殺人罪が成立する可能性があります。

殺人罪が成立する場合には,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられる可能性があります。

参考:あおり運転の罰則

 

4 あおり運転に逢った場合の対処法

あおり運転の被害者になった場合には,次の対応を行いましょう。

 

⑴車の窓とドアのカギを全て閉める

相手が罵倒してきたり,車から降りてこちらに迫ってきた場合には,車の窓とドアのカギを全て閉めましょう。そうすることにより,相手からの暴行を免れることができます。

 

⑵警察に通報する

相手が追い回してきたり,罵倒をしてきた場合には,警察に通報しましょう。

最近では,あおり運転が社会問題となっており警察の取り締まりも強化されているので,警察に通報すれば現場に来て解決する可能性があります。

 

⑶仕返しはない

相手があおり運転をしてきたからといって,あおり運転の仕返しはしてはいけません。あおり運転の被害に遭った場合には冷静に対処する必要があります。

 

⑷避難する

あおり運転をされた場合には,一度安全な場所に停車しましょう。

 

⑸ドライブレコーダーによる記録を残す

あおり運転の被害にあったときは,ドライブレコーダーを作動させて,あおり運転の状況を一部始終記録に残すようにしましょう。記録を残すことにより,あおり運転の立証に役立ちます。

 

⑹弁護士に依頼する

あおり運転の被害に遭い,交通事故に遭ったときには,あおり運転をしてきた運転手と示談交渉をすることになります。直接相手方と示談交渉をしても,うまくいかない可能性があるので弁護士に依頼することをお勧めします。

 

5 おわりに

あおり運転を行った場合には,上で解説したような様々な犯罪が成立する可能性があります。あおり運転を行うことは許されませんし,あおり運転の被害に遭った場合には適当な対応をとる必要があります。

法律事務所ロイヤーズ・ハイでは,刑事事件に関し経験豊富な弁護士が在籍しております。

あおり運転によるトラブルがあった場合には,当事務所の弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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