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知恵袋で「盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい」と言われる理由とその真偽

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知恵袋で「盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい」と言われる理由とその真偽

さて、ネット上、特にヤフー知恵袋などでは、盗撮が現行犯逮捕以外では、逮捕は難しい?

という話があります。

さて、刑事事件、盗撮事件を扱っている弁護士の体感をお伝えさせていただきます。

 

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1 ヤフー知恵袋での「盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい」という質問や回答は信用できる?

⑴ ヤフー知恵袋は匿名の質問と回答であって何ら責任が発生しないこと

まず、大前提として、ヤフー知恵袋では、匿名の方が質問を行い、匿名の方が回答をしています。

そして、ヤフー知恵袋で質問をすることや回答する事には何らの責任も生じません。

ですから、個人の感想や推測なども多分に含まれています。

また、残念ながら、盗撮の後日逮捕の確率についても極めて低い確率が記載されていることがありましたが、一体どこからそのような数字を出してきたのか不明です。

私どもでも調査をしましたが、結局のところ見つけることはできませんでしたので、残念ながら個人の憶測にすぎないと考えざるを得ないところです。

 

⑵ ヤフー知恵袋では、盗撮の被害者あるいは盗撮の加害者の質問、回答なのか分からないこと

ヤフー知恵袋では、「盗撮で後日逮捕される人とされない人の違い」や「後日逮捕が難しい」という質問がされていることがあります。

しかし、これらの質問をしているのが、盗撮の被害者であるのか加害者であるのか不明です。

たとえば、「盗撮で後日逮捕される人とされない人の違い」について聞いた人は、自分が盗撮の被害者であり、被害届を出すことを考えているが、ちゃんと警察に後日逮捕されるのかを気にして質問をしている場合もあると思います。

このような場合、回答者が、同じく過去に被害をあったことがある方なら、後日逮捕してもらえた経験があれば、後日逮捕してもらえたとも回答するでしょうし、逆に逮捕してもらえなかったなら、逮捕してもらえなかったとも答えるでしょう。

また、盗撮をしたことがある方が回答する場合には、盗撮をされることをバレたくないから、後日逮捕されることはないかのように回答して、質問者に被害届を出すことを諦めさせようとしているということも考えられます。

逆に、盗撮の加害者が、自分が逮捕されるか不安であるから知恵袋でそのような質問をしたというケースもあるでしょう。

この場合、過去に盗撮の被害にあった方からすれば、逮捕されて欲しいという意識が先行して、確実に後日逮捕されますよ、と回答することもあるでしょうし、盗撮をしたことがある方が後日逮捕されませんでしたよ、と回答することもあるでしょう。

以上、いろいろな可能性をお伝えしましたが、要は、誰がどのような意識のもとで回答をしているかが分からないので、情報を直ちに鵜呑みにしてはいけない、ということです。

むしろ、情報を取捨選択して、正しいご判断をしていただくのがよいと思います。

 

2 盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい、に対する弁護士の意見

結論から申し上げると、盗撮事件で、現行犯逮捕以外でも後日逮捕されているケースは普通にあります。

これは、ネットのニュースを検索していただければ、いくらでも事例は出てきます。

また、後日逮捕されている事例でネットニュースになるのは一部にすぎないでしょうから、実際にはもっと多くの盗撮事例で、後日逮捕されている可能性があります。

ですから、盗撮事件において、現行犯以外で逮捕は難しい、とは言えず、後日逮捕されることも十分にありうる、というのが回答になるでしょう。

関連記事:【必読】盗撮で後日逮捕されるケースと後日逮捕の確率と対処法

 

3 盗撮は現行犯以外では逮捕が難しいと言われる言説が広まった理由についての考察

では、上記の実態があるのに、どうして「盗撮は現行犯以外では逮捕が難しい」という言説が出てくるのでしょうか?

一つの可能性としては、盗撮の被害者の方が、盗撮に気づいたのにその場で指摘することが怖くて指摘せずに、後に警察に被害届を出した場合に、証拠不十分として警察から取り合ってもらえなかったというケースがあって、そこから「盗撮は現行犯以外では逮捕が難しい」という言説が広まった可能性があります。

こちらは犯行の状況により捜査できそうかどうかや警察の繁忙状況(個々の警察官がめんどくさくてやりたくない)もあって、捜査がされないということもあるでしょう。

ですから、盗撮の被害者の方向けにお話をすると、確かに盗撮を発見した瞬間に指摘をして警察を呼んだ方が良いでしょう。

そうすれば、証拠の保全には役立ちますし、盗撮された事実が本当かどうかを確かめることもできるからです。

他方で、被害届を出しても運悪く警察から相手にしてもらえない場合には、せめてこういう実態があったということを警察に伝えたり、あるいは盗撮が繰り返されていると思うなら警察に張ってもらうということも考えられます。

また、「盗撮は現行犯以外では逮捕が難しい」という言説が広まった理由として考えられるのが、盗撮犯らが自らが逮捕されたくないから流した言説である可能性もあります。

つまりこのような言説を流しておけば、盗撮の被害者に「警察が捜査も逮捕もしてくれないかもしれないなら、被害届を出すのはやめておこう」と思わせて、盗撮犯らが自身が逮捕や捜査される可能性を減らすことができます。

そのように、残念ながら、情報操作するためにこのような言説が広まった可能性があります。

しかしながら、先に記載したように、後日逮捕される実例はネットニュースを見ても普通にあります。ですから、「盗撮は現行犯以外では逮捕が難しい」という言説を安易に信じてはならない、と言えます。

 

4 盗撮犯が盗撮を続けてしまう心理、盗撮癖、盗撮の末路について

⑴ 盗撮犯の心理と盗撮癖について

盗撮を犯した方の動機について、よく聞く機会がありますが、おおよそ、以下のいくつかの理由を述べられることが多いです。

・盗撮を出来心でやってしまった

・盗撮をしてもバレなければいいと思ってやってしまった

・盗撮を実際にしてもすぐにはバレなかったからこのまま続けても大丈夫と思った

・盗撮を辞めようと思ったこともあったが、盗撮が癖になっていてやめられなかった

・盗撮の証拠が押さえられなければ大丈夫だ

・盗撮してもスマホから情報を削除すれば大丈夫だ

このように、おそらく、盗撮をした方の意識とすれば、盗撮をしてもすぐにスマホから削除すればいいし、盗撮されていることも被害女性や周囲から気づかれなければ、バレるはずもないし、その現場で証拠を取られなければ大丈夫だ、と残念ながら思っているのかもしれません。

 

⑵ 盗撮の末路について

確かに少ない回数の盗撮であれば運よく被害女性や周囲にバレないということもあるかもしれません。

しかしながら、盗撮の特徴は、何度も繰り返す、盗撮を辞められない、ということにあります。

一度バレないと誤解して盗撮により得られた快感が忘れられずに盗撮を繰り返してしまうのです。

そうしているうちに感覚は麻痺し、結果としてどこかの時点でバレてしまい、後に述べるように現行犯逮捕であったり、後日逮捕される可能性があるのです。

 

5 盗撮がどのようにして犯人特定がされ後日逮捕に至るのか

盗撮の類型にはいくつかありますが、代表的であるのは駅の構内やエスカレーターでの盗撮事件です。

この事件類型では、多くの場合女性のスカートの下を盗撮するため、被害女性の近くに行き盗撮を行うことになります。

その際に、被害女性に不自然に接近しなければならないことや、カメラやスマホの位置をスカートの下にしなければならないこと、足にカメラを設置していれば足の動きが不自然な挙動になることなどから、周囲の第三者の目線から見れば、不自然に映ります。

ですから、ご自身が思っている以上、盗撮をしていることは気づかれやすいのです。

そして、そのことを指摘されて逃走したとしても、駅改札の交通事故系ICカードや防犯カメラから犯人特定がなされます。

また、運よく駅から逃げられたとしても、路上には想像されている以上にいたるところに防犯カメラが設置されています。

私の過去の経験ですが、防犯カメラを追跡することで自宅までの特定されることがありました。

また、スマホのデータを復元することも警察は可能ですし、必要があれば自宅に家宅捜査を行い、自宅にあるPC、USBなどの情報媒体を押収することもあります。

このようにして、警察の捜査はなされていきますので、盗撮をした場合に、現行犯以外では逮捕が難しい、とまでは言えない、でしょう。

なお、被害女性や周囲がその場で指摘しなかったとしても、後日被害届を出すこともあります。そして、このような場合には盗撮をした方も盗撮してもバレないと油断してしまうかもしれません。

しかし、そのように盗撮や不信挙動を繰り返していれば、不審人物として警察や駅員からマークされるということもあります。

そのような場合には、盗撮をした瞬間にそれこそ現行犯逮捕されてしまうこともあります。

 

6 知恵袋で「盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい」と言われる理由とその真偽のまとめ

以上をまとめますと、

・ヤフー知恵袋でされている質問や回答は必ずしも鵜吞みにせず情報の取捨選択を行いましょう。

・盗撮は現行犯以外でも後日逮捕される可能性があり、その実例もあること

・「盗撮は現行犯以外では逮捕は難しい」との言説も鵜呑みにすべきではないこと

・盗撮犯が盗撮を辞められない心理と後日逮捕されてしまうという末路

・後日逮捕される犯人特定のプロセス

 

について解説いたしました。

万が一、盗撮をされてしまった方は、盗撮の弁護活動に強い弁護士であるロイヤーズハイに一度ご相談くださいませ。

なお、盗撮の自首同行についても、詳しく記事にしておりますので、こちらの記事も是非ご覧ください。

関連記事:盗撮行為における弁護活動

 

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このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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