逮捕されたら
逮捕されたら,どうするか?
1 家族が逮捕されたら,まずどう動いたらよいか?
お急ぎの皆様かと思いますので,結論から言わせていただきます。
刑事事件を扱っている弁護士に接見をお願いしましょう。
いきなり,同居している家族が,警察に連れていかれてしまったらびっくりしますよね。
しかしながら,実際は,いきなり警察が家に来て逮捕状を見せて,逮捕されることが多いのです。また,逮捕はされなくとも,任意同行を求められることが多いです。
ただ,家族の方からすれば,青天の霹靂で,逮捕状が出されたかどうか,容疑が何なのかもよくわかっていないことが多いです。
そこで家族の方は,まずは警察に対して,任意同行なのか,逮捕されたのかどうかを確認しましょう。
また,どこの警察に逮捕(任意同行で連れていかれたか)されたか,を確認しましょう。
できれば,どのような容疑で逮捕されたか(任意同行で連れていかれたか),その内容についても確認した方がよいでしょう。
警察は,教えてくれるケースもありますが,捜査の進展によって教えてくれないこともあります。ただ,聞いて損はないので,確認してみましょう。
ここで,任意同行であれば,その日か翌日には取り調べが終わって帰ってこれるケースもあります。ただ,取り調べの結果,そのまま逮捕されることもあります。
逮捕されれば,48時間以内に検察官に事件が送致され,24時間以内に勾留請求がされます。勾留が認められれば,原則10日間は留置所から出てくることはできません。
そのため,単に任意同行なのか,逮捕なのかが重要になります。
そこで,逮捕されたことがわかったら,まず接見に行ってくれる弁護士を探してください。
逮捕されれば,次に大切なのは,勾留されないようにすることです。
勾留されないためには,①軽微な事件であれば,自白して罪を認め,罪証隠滅の危険がないこと,逃亡の危険がないことなどを話せば,勾留までされないケースもあります。②事件の内容によって,証拠が必ずしも不十分なケースでは,否認をすることで勾留されないケースもありますが,警察側は,証拠があるからこそ逮捕に踏み切っていることが大半なので,②のケースはそれほど多くはないでしょう。
いずれにしても,①,②のケースごとに勾留されないことを目指すためには,その事件の証拠関係を予測し,罪の処分内容を予測することが必要不可欠です。
そのため,できる限り,刑事事件を扱っている弁護士に接見を依頼するのがよいでしょう。
きっと最適な方針をアドバイスしてくれるはずです。
また,被害者がいる場合には,弁護士に依頼して,被害弁償や示談活動をすることを警察に話せば,あえて勾留されないようにすることもあります。
そのため,接見を依頼した弁護士の対応がよければ,その弁護士に依頼し,示談活動を行ってもらえば,よい結果が得られる可能性が上がります。
2 そもそも逮捕されないためには,どうしたらいいのか?
逮捕には,①逮捕する理由と②逮捕の必要性が必要です。
- 逮捕する理由は,犯罪をしたと疑うに足りる相当な理由があることです。
簡単に言うと,犯罪を犯した証拠があるかないかです。警察が,任意の出頭や任意同行,を求める場合,逮捕する場合には,犯罪を犯した証拠が一定程度あることが多いです。
ですので,①の要件が問題になることはそこまで多くありません。
- 逮捕の必要性は,証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがある場合をいいます。
これは,前科前歴の有無,実刑の可能性,定職があるか,住居があるかどうか,家族と一緒にいるかどうか,などによって決まります。
ですので,逮捕されないためには,①逮捕する理由がないか②逮捕の必要性がないことを警察に示して,理解してもらえばよいということになります。
初めて,警察に取り調べを受けるような方は,言うべきことが緊張して言えなかったり,逮捕されたくないがゆえに,言う必要のないことを言ってしまったりすることがあります。
そのため,もしも逮捕されると不安に思われる場合には,まずは,弁護士に相談してみましょう。
取り調べに対するアドバイスもしっかり行ってくれるはずです。
また,場合によっては,弁護士の方から,あらかじめ警察に連絡し,逮捕の必要性がないことを簡単に口添えすることも考えられますし,弁護士を入れて,被害者の方と示談をするような姿勢を見せれば,なお安全かと思います。
3 警察から出頭要請があったが,無視してもいいのかどうか。
警察からの出頭要請があった時は,素直に応じた方が得策です。
警察からの出頭要請があるということは,警察側もある程度,何らかの証拠をつかんでいることが大半です。
なのに,何ら正当な理由もなく,連絡もしないまま出頭を拒みつづけると,警察から逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断され,事実上,逮捕される可能性があります。
もしも,仕事の都合があって,その日時に出頭できないなどの事情がある場合には,正直にその事情を説明して,出頭の日時を変更してもらいましょう。
なお,出頭して取り調べの結果,悪質性が高いと判断されるような場合には,逮捕される危険性もあります。
逮捕されることが不安な場合には,まずは弁護士に対応を相談してください。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。