盗撮で逮捕されたケース、刑罰・逮捕後の流れ、後日逮捕の対象とは? | 大阪難波(なんば)・堺の刑事事件に強い弁護士|弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイ

盗撮で逮捕されたケース、刑罰・逮捕後の流れ、後日逮捕の対象とは?

ツイッターを中心に広まったセクハラ・性的暴行の被害体験を告白するハッシュタグ「me too」が話題ですよね。
このムーブメントの特徴は、過去の性的被害について告白している点です。
これには盗撮による被害も含まれています。実は女性側は、盗撮に気が付いても告白できないことが多いのです。

 

しかし、これからは盗撮による性的被害を積極的に表沙汰にする例が増えていくでしょう。
もし、盗撮の加害者になっている可能性があるのなら、逮捕された後の可能性も十分に考えるべきです。
今回は、盗撮で逮捕されたあとの刑罰、流れなどについて解説します。

 

スマホや小型カメラでの盗撮は逮捕される?

小型で高性能なデジタル機器が増え、誰もがいつでも簡単に写真を撮れるようになりました。これに伴い、盗撮の被害が増えています。スマホや小型カメラを使った「ほんの出来心」だったとしても、盗撮は立派な犯罪です。
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盗撮の基本は現行犯逮捕

こういった盗撮行為は「現行犯逮捕」が基本です。
また、現行犯逮捕は被害者自身や目撃者など、警察以外の一般人でも行使する権利があります。
これは、刑事訴訟法の第213条に規定があります。

 

“刑事訴訟法 第213条 (現行犯逮捕)

現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。”

 

しかし巧妙化する手口のせいか、一般人では盗撮と断定できないケースもあり、必ずしも現行犯逮捕のみというわけではありません。

 

盗撮は後日逮捕されるのか?

例えば、盗撮を疑われたものの、その場から逃げてしまったときはどうなるでしょうか。
この場合、後日逮捕の対象になる可能性があります。後日逮捕になる可能性があるのは、次のようなケースです。

 

・被害者が盗撮に気づいており、被害届をだしている

・現場に物的な証拠を残している(カメラやUSBメモリ、SDカードなどの記憶媒体)

 

こういったケースでは、後日警察が自宅に来て、警察署までの任意同行を求めることがあります。
さらに最近では、監視カメラや防犯カメラの映像をもとに加害者を特定し、後日逮捕に発展するケースもあるようです。

 

後日逮捕に発展するケースでは、上で説明した現行犯逮捕ではなく、通常逮捕で逮捕されることになります。

 

“刑事訴訟法 第199条 (通常逮捕)

1 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。…”

 

通常逮捕の要件は①罪を犯した疑いがあること(逮捕の理由)、②逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと(逮捕の必要性)です。

 

盗撮の疑いがあるにも関わらず罪を認めていない場合、以前に盗撮の前科前歴がある場合、一人暮らしなどで身元引受人がいない場合、疑われた際にその場から逃げてしまった場合などは上記逃亡や罪証隠滅のおそれがあるとして逮捕される傾向が強くなります。

 

逆に言えば、罪を犯した疑いがある場合でも、罪を認めて反省している場合や、妻子と同居していて身元引受人のある場合、職場で責任ある立場にあって逃亡する可能性が低い場合には逮捕されない傾向が強くなります。

 

後日逮捕される場合いつ逮捕されるの?

これは盗撮に限らずケースバイケースで一概には言えません。
捜査機関による加害者の特定や証拠集めが速やかに行われて数日で逮捕される場合もありますし、逆に加害者の特定が困難で何か月、何年もかかってしまう場合もあります。

 

加害者が特定されていないため未だ逮捕されていない場合、加害者が自ら出頭することで自首が成立する余地があります。
自首が成立するための「捜査機関に発覚する前」とは、捜査機関が犯罪自体を認識していない場合だけでなく、犯人が誰かについて認識していない場合も含むからです。

 

“刑法 第42条 (自首等)

1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。”

 

自首が成立すれば、刑が減軽される可能性もあります。
弁護士が警察署まで出頭に同行することもできますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

盗撮の逮捕率は?

令和元年の犯罪白書によれば、全体の検挙率は58.7%、刑法犯では37.9%です。
もっとも、これは発生件数の多い窃盗を含んだ数字であり、窃盗を除く刑法犯では50.5%になります。
検挙数には「警察で取り調べしたものの逮捕していない場合」を含むため、逮捕率はこれより低くなると考えられます。

 

では盗撮の場合はどうなるかといいますと、残念ながら統計データがないため具体的な数字を示すことはできません。
警察庁生活安全局の資料によれば令和元年の検挙数は3,953件とのことですが、逮捕率についてはデータがないので上記の数字を参考にしていただければ幸いです。

 

盗撮で逮捕されたときの刑罰は?

では実際に盗撮で逮捕されると、どのような罪に問われるのでしょうか。
ここでは性的な意味での盗撮に限定して紹介します。

 

自治体の定める迷惑行為防止条例違反

電車やバス、駅の構内、併設してあるトイレなど公共の場所で盗撮を行った場合、自治体の定める迷惑行為防止条例違反に問われる可能性があります。

 

例えば東京都では、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が刑の相場です。
ただし、これは自治体の条例によって変化します。

 

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軽犯罪法違反

自宅の居室やバスルーム、トイレなど、プライベートな空間で盗撮を行った場合、軽犯罪法第1条第23号に該当する可能性があります。

いわゆる「のぞき行為」に該当するとみなされるわけです。

 

“軽犯罪法 1号23号

二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者”

 

この場合は、拘留もしくは科料が刑罰として課されます。ちなみに拘留は1日以上30日未満、科料は1000円以上10000円未満です。

 

住居侵入罪

監視カメラをとりつけたり盗撮をおこなったりするために、無断で他人の住居に侵入すると、住居侵入罪に問われる可能性があります。

これは軽犯罪法よりも罪が重く、「3年以上の懲役、または10万円以下の罰金」となっています。

 

“刑法第130条 住居侵入罪

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。”

 

偶然写真に写ってしまった場合や、全身を撮影した場合も「盗撮」?

風景画を撮影している際に偶然写ってしまった場合や、下着などではなく全身を撮影した場合には「盗撮」にあたるのでしょうか。

 

迷惑防止条例違反の場合

例えば、東京都の迷惑防止条例違反の場合には、「衣服で隠されている下着又は身体を…撮影し、又は撮影する目的で…機器を差し向け、若しくは設置すること」が処罰対象とされています。

 

迷惑防止条例違反の場合であっても犯罪ですので「故意」(刑法38条1項)が必要であり、行為者が「衣服で隠されている下着又は身体を…撮影」していることを認識し(かつ認容し)ている必要があります。
偶然写ってしまった場合には、この認識がないはずなので、「盗撮」にはあたりません。

 

また、カメラを向けた場合や設置した場合であっても、「衣服で隠されている下着や身体を…撮影する目的」が必要なため、偶然カメラがその方向を向いたからと言って処罰対象になるわけではありません。

 

“刑法第38条 故意

1.罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。”

 

迷惑防止条例の処罰範囲は被写体が「衣服で隠されている下着又は身体」ですので、全身を撮影した場合は「盗撮」にあたりません。
ただし、同様に迷惑防止条例で処罰対象とされる「卑わいな言動」に該当するとした最高裁判例があります。

 

これは全身ではなく一部を撮影した事例ですが、40mにわたって被害女性の背後1m~3mでつきまとい、被害女性の臀部を約11回撮影したという行為について、「卑わいな言動」に該当するとしています。
全身や衣服の上を撮影する場合であっても、場合によっては処罰対象となるため注意しましょう。

 

軽犯罪法違反の場合

軽犯罪法違反の場合には、「のぞき見る」が処罰対象とされています。
「のぞき見る」とは、物陰や隙間などからこっそり見ることを言い、見る意思がないのに偶然見えてしまう場合には「のぞき見る」にはあたりません。

 

もっとも、軽犯罪法違反の場合、下着や身体ではなく「人が通常衣服をつけないでいるような場所」を被写体として規定しています。
このような場所を盗撮した場合、たとえそこに下着等が写っていなかったとしても、さらに言えば人が写っていなかったとしても処罰対象となりますので注意が必要です。

 

盗撮で逮捕(後日逮捕含む)された後の流れは?

盗撮で逮捕されると、一般的な刑事事件と同じような流れを辿ります。
まず、微罪処分となれば警察で取り調べを受けても、身元を確認されるだけで即座に釈放されるでしょう。
二度と盗撮をしなければ、特に問題はありません。
ただし、微罪処分にならなければ、次のようなステップを辿ります。

 

1.逮捕から48時間(2日)以内に検察へと身柄が引き渡される
2.検察は24時間(1日)以内に勾留請求を行うかを判断する
3.勾留請求がなされると、原則は10日間、延長でさらに10日間の勾留が認められる

 

つまり、2日+1日+最大20日間で、23日間も身柄を拘束されることになります。
ただし、素直に罪を認めて反省していることを訴えれば、勾留期間を短くして早期釈放されることも可能です。

 

さらに、盗撮で初犯の場合は、被害者と示談が成立していれば不起訴処分になることが大半です。
不起訴処分となれば前科にはなりませんから、今後の生活への影響はほとんどないと言えるでしょう。
逆に起訴されると、日本の刑事事件の実情から、99%の可能性で有罪になります。
いかに素早く示談を成立させるかが重要ということですね。

 

盗撮での逮捕は弁護士にすぐ相談すべき

盗撮の態様が悪質で反省の色が見えず、被害者と示談を成立させていないようなケースでは、罰金刑が課される(前科が付く)可能性も十分に有ります。
また、初犯でなかったり住居侵入罪に問われたりすると、懲役刑もあり得るのです。

 

逮捕後に拘留されている間は当然、自分で動くことができません。
したがって、代理人となって示談交渉などを行ってもらうために、弁護士に依頼することをお勧めします。
早期釈放、不起訴処分を勝ち取って社会生活への影響を最小限にするためにも、すぐに弁護士へ相談するようにしましょう。

 

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このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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