家族にクレプトマニアがいる場合の対処方法
・妻が万引きを繰り返してしまう。。。病的な要素があるのか。
・「クレプトマニア」という人がいると聞いた。どのようなケースか知りたい。 ・家族がクレプトマニアの場合、どのようにすればよいのか。 |
世の中には「クレプトマニア」と呼ばれる、病的に万引きを繰り返してしまう人がいます。ご家族にそういった方がいる場合、専門的なケアが必要です。
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1 クレプトマニアとは
ご家族の中に、普段はきまじめで犯罪などしそうにないのに、病的に万引きを繰り返してしまう方がいる場合「クレプトマニア」かもしれません。
クレプトマニアとは、さまざまな要因により、病的に万引きを繰り返してしまう人のことです。
一般的な愉快犯の万引きや単にスリルを味わいたいというのではなく、自分でも止めたいのだけれど、万引き行為に依存していたり強迫的に万引き行為に及んだりしていてやめられなくなっています。
摂食障害や認知症などの精神疾患が隠れているケースも多いです。そのような場合、一般的な万引き犯のように「こっそり」盗らず、「堂々と」店のものを盗ってすぐに見つかることもあります。
2 クレプトマニアでも「窃盗罪」で有罪になる
このように、病的に万引きをしてしまうクレプトマニアのケースでも、犯罪が成立するのか?と疑問を抱かれる方がいます。
結論的に、クレプトマニアのケースでも「窃盗罪」が成立します。
刑法で心神喪失によって犯罪が成立しなくなるのは、酒に酔って前後がわからなくなるほどに自分の行動が認識できなくなっている場合です。単に精神疾患で病的に万引きをする状態というだけでは、心神喪失になりません。
また心神耗弱として刑罰が減軽されるほどの状態とも言えないので、普通に健康な人と同様に窃盗罪の刑罰が適用されることとなります。
犯罪行為は、繰り返していると処分が重くなっていきます。クレプトマニアのように何度も犯罪を繰り返していると、最初は不起訴でも次は起訴、罰金から懲役、実刑など、放っておくとどんどん重い刑罰を適用されてしまうおそれもあります。
3 家族にクレプトマニアがいる場合の対処方法
家族にクレプトマニアがいる場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
まずは、よく話を聞いてあげて、何が根本原因となっているのかを探りましょう。摂食障害や認知症などの精神疾患が原因なら、そちらの治療を進める必要があります。
またクレプトマニアの外来を受け付けている精神科もあるのでそういった所を受診したりカウンセリングを受けたりするのも良いでしょう。
なるべく家族の誰かが一緒に行動するようにして、万引きをしないように監視するなどの対応も考えられます。
家族にクレプトマニアがいると周囲も大変ですし、何より本人自身も苦しんでいることが多いです。逮捕された場合には、弁護士がお助けしますのでお早めにご相談ください
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。