刑罰の「拘留」と処分の「勾留」はどう違うのか? | 大阪難波(なんば)・堺の刑事事件に強い弁護士|弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイ

刑罰の「拘留」と処分の「勾留」はどう違うのか?

「逮捕され、”こうりゅう”された」という言い方を耳にしたことはありませんか?この”こうりゅう”は、実は2種類の意味があるのです。ひとつは「拘留」、もうひとつは「勾留」という文字で表現され、大きな違いがあります。今回は「拘留」と「勾留」それぞれの意味や違い、不利益を軽減する方法などを紹介します。

1.拘留と勾留の違いとは

簡単に言ってしまうと、「拘留=刑罰」で「勾留=処分」です。しかし、これだけでは明確な違いがわかりませんよね。

刑罰の「拘留」

「拘留」のほうは犯罪に対する罰で、「1日以上30日未満」の間、刑事施設に収監することを表しています。ちなみに刑事施設とは「刑務所・拘置所・留置所」といった、法務省や警察が管理する施設のことです。拘留については刑法の第9条および16条に明確な規定があります。

“第9条 (刑の種類)
死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。”

“第16条 (拘留)
拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。”

少し専門的な内容ですが、拘留は「自由刑」に分類されます。自由刑とは「身柄を拘束する刑罰」のことで、拘留・禁錮・懲役などが含まれます。また、懲役では労働がありますが、拘留にはありません。ただし、拘留は執行猶予がつかないため、懲役と違って必ず実刑になります。さらに当然ですが、れっきとした刑罰ですから、前科も付きます。

処分の勾留

一方、勾留はあくまで一時的な処分で、裁判までの間に実行されます。勾留自体が罰ではなく、罪を犯した人間の扱いを決めるまでの措置なのです。新聞では勾留を「拘置」と表現することもあります。

何らかの疑いで逮捕されると、警察からの取り調べが行われます。その間、逃亡や証拠隠滅などを行わないよう、身柄を拘束するわけです。拘留に比べると刑罰ではないぶん、やや軽い印象があるかもしれません。しかし、その期間は意外にも長いのです。

まず、逮捕後に検察へ送致されるまで最大48時間、その後は24時間以内の勾留が決定します。この時点で3日が経過しますね。さらに勾留が決定されると、10日~20日間(勾留延長が認められた場合)の勾留期間が発生します。つまり、逮捕から勾留まで最大で23日間も身柄を拘束されるのです。

2.勾留を終わらせるにはどうしたら良い?

起訴前の勾留を終わらせるには、準抗告・勾留理由開示請求・勾留取消請求といった手続きが必要です。

・準抗告
裁判官が下した勾留決定に対して不服がある場合に、裁判所に対して勾留決定の取消や変更を請求する手続きです。

・勾留理由開示請求
裁判所に対して勾留の理由をきき、法律や状況に照らし合わせながら、正当なものかどうかの判断をあおぐ手続きです。刑事訴訟法第82条に基づき、本人や弁護士、配偶者、直系親族、兄弟姉妹などが請求できます。

・勾留取消請求
勾留を行う必要がなくなったと判断されるとき、本人や弁護人が、裁判所に対して勾留の取り消しを請求する手続きです。例えば示談が成立した場合などは、勾留の必要性が低下したと判断し、拘留取り消し請求を行うことがあります。

このように勾留を終わらせる手続きにはいくつかの種類があります。ただし、いずれも専門的な手続きであるため、弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。

3.期限の定めがない勾留に注意!

ここで注意したいのが、「勾留」の種類は2つあるということです。前述した「勾留」は、被疑者段階での勾留、つまり起訴される前のものです。勾留には「被告人勾留(起訴された後の勾留)」も存在し、こちらには期間の定めがありません。

現実には第一回公判までの約2か月が勾留期間となり、起訴前の勾留に比べると2倍以上の長さです。ちなみに最初の2か月が経過すると1か月ごとに更新され、裁判が終了するまで延々と続く可能性もあります。こうなってしまうと、数か月から1年単位で社会から隔絶されます。刑罰の拘留よりもはるかにダメージが大きいですよね。そこで「保釈制度」を利用して、身柄の拘束を解除するという方法がとられます。

4.勾留の解除は弁護士のサポートが必要

一般的に保釈は「保釈金を積めば大丈夫」と認識されているかもしれません。しかし、実際には保釈申請の書類作成が必要ですし、裁判官の性格や事件の傾向を熟知した人間がいなければ成立しにくいのです。つまり、弁護士のサポートを受けたほうが、保釈が認められる可能性は高くなります。また、起訴前の勾留についても、弁護士の力が必要なことは既に述べたとおりです。

何らかの罪で逮捕される可能性があるなら、勾留の長期化や刑罰としての拘留を回避するため、すぐに弁護士に相談しましょう。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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