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出会い系サイト規制法

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ここでは出会い系サイト規制法についてご紹介していきます。
法律の内容を詳しくご紹介し、出会い系サイトの定義や違法行為が見られた時に罰せられることに関してもお伝えしていきます。

 

1 出会い系サイト規制法とは?

出会い系サイト規制法とは平成15年に施行された法律です。
内容は、出会い系サイトを通じた児童買春やその他犯罪から児童を保護し、児童の健全な育成に資することを目的として定められました。

出会い系サイト規制法では出会い系サイトの事業者を規制し、さらには利用者が出会い系サイトを利用して児童に性行為を持ちかけることも処罰の対象になってきます。
また出会い系サイトを利用していなくとも児童買春を犯すと罰則が与えられる法律になっており、援助交際等で性交や性交類似行為に手を出せば、児童買春・児童ポルノ禁止法や青少年保護育成条例により処罰を受けることになります。
出会い系サイト規制法は新規制定時に犯罪被害に遭った児童の数を減らすことができたものの平成18年にはまたも被害児童数が増えてしまいました。

そのことを受けて平成20年に新たに改正を行い、さらに出会い系サイト事業者に対する規則の強化を図ったのです。
具体的な内容としてはフィルタリングサービスの活用です。
出会い系サイトに必要な電気通信役務を提供するプロバイダは、児童が誤って出会い系を利用しないように児童が使用する通信端末機器にはフィルタリングサービスを提供することに務めています。
また、それに加えて児童による出会い系サイトの利用を防止するための民間活動も活発となり、児童買春に関しては減少している結果にあります。
しかしながらその反面、児童ポルノ事犯に関してはなかなか減少することには至らず、今児童ポルノによる問題が重要視されています。

参照:児童ポルノをダウンロードしてしまった!自首するべき?

参照:児童ポルノが犯罪になるケースとは?

 

2 出会い系サイトの定義について

そもそも出会い系サイトとはどういったものを指すのでしょうか?
出会い系サイトは別名インターネット異性紹介事業とも呼ばれています。
児童買春の可能性が考えられる出会い系サイトですが、現在はインターネットや身近にオンライン環境を利用できるスマートフォンが誕生したことで出会い系サイトのようなものがたくさん見かけられるようになりました。
異性と出会うことができれば全て出会い系だと思えてしまいますが、実は出会い系サイトとなるものには定義があるのです。
それは以下の4つの要件を全て満たすものになります。

・面識のない異性と交際と希望する者(異性交際希望者)の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。

・異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。

・インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。

・有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。

 

これらすべてに該当するサービスは出会い系サイトに含まれるため、出会い系サイト規制法の対象となります。
そんな出会い系サイトで児童買春が発覚した場合どのような罪を課せられるのでしょうか?

 

3 出会い系サイトの運営における罪の重さ

出会い系サイトの運営を行っている様々な罪と隣り合わせになります。
主な罰則としては、

・届出をしないでインターネット異性紹介事業を行なう行為(出会い系サイト規制法32条1号):6月以下の懲役又は100万円以下の罰金

・インターネット異性紹介事業を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為(出会い系サイト規制法33条):100万円以下の罰金

・虚偽の届出(出会い系サイト規制法34条):30万円以下の罰金

 

上記の罰則が課せられるようになっています。
しかしこれら罰則以上に大変なことがあります。
それは被害児童の対応です。
親権者に対して謝罪の意を伝え示談の締結を進めていかなければ、社会的立場は失う一方です。
示談や不起訴を目指すためには弁護士を活用するのが得策でしょう。
情状面から検察官に不起訴処分にしてもらえるよう動けるようになります。

 

4 児童買春をした者の罪も重い

出会い系サイトによって出会い児童買春を行ったとすれば、その罪もまた重いものとなっています。
児童買春をした者は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処せられ、又はその両方を併科される場合もあるのです。
その罪の重さはなんと人身事故の業務上過失傷害罪よりも重くなっており、社会的復帰が望めない可能性も考えられるほどです。
出会い系サイトの運営で児童買春問題を起こさないためにも、こういった課せられる罰則をホームページ上や案内メールなどに記載することが、児童買春を防げるポイントになってくることでしょう。

 

5 法改正によって気を付けなければいけないこと

平成20年の改正により、出会い系サイトの運営を行うには届け出が必要となりました。
届け出は事業を開始しようとする日の前日までに事業の本部署となる事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会に、所轄警察署長を経由して、公安委員会に提出することが求められています。
また、インターネット異性紹介事業を廃止する際や届け出事項に変更がある際も手続きが必要で、こちらに関しては廃止や変更となる日から14日以内に手続きしなければなりません。
届け出で必要になってくる書類は、事業開始届出書や事業廃止届出書、届出事項変更届出書の他に契約書も必要です。
これらは各県の公安委員会のホームページにてダウンロードできます。

 

6 インターネット異性紹介事業者の義務とは?

様々な問題に発展しがちなのが出会い系サイトです。
インターネット異性紹介事業者は警察庁が発表している義務をよく理解しておく必要があります。

・広告又は宣伝時は児童による利用禁止の明示を行うこと

・手続きで児童でないことを確認する際に、改めて児童による利用を禁止していることを伝達すること

・利用者は自動でないことをよく確認すること

・公衆閲覧防止措置を行うこと

 

これら4つを義務化として児童が間違って出会い系サイトを利用しないように努めることが必要になってきます。
具体的な対策としては利用の都度確認する場合は、運転免許証や国民健康保険証その他の年齢や生年月日が分かる書面の写しの送付手続きを組み込んだり、画像の送信を受けたりすることが効果的な対策となってくるでしょう。
また、クレジットカードを使用する方法においては、児童が利用できない方法により料金の支払う旨の同意を行うことで、児童でないことを確認する方法の厳格化が図れます。
他にも、身分証明などで利用の確認を受けた者に対して識別符号(ID及びパスワード)を付与し、利用の際には当該識別符号の送信を行うことで、より児童の利用減少につながってくることが期待できるでしょう。

 

7 まとめ

平成15年に発足し、平成20年に改正となった出会い系サイト規制法は、法改正によって実際に犯罪件数の減少という効果は表れているものの、なかなか大きな減少に至っていないのが現状です。

現在では児童ポルノの問題が増加傾向にあることから、さらなる強化を求められており、具体的な対策としてご紹介してきたように、加害者が課せられる罪の重さを伝えたり、児童ではないことの確認をしっかりと行ったりすることが必要でしょう。

これからも出会い系サイトを提供する側は、児童がみだらな行為を受けないためにあらゆる面において児童買春の防止を図っていくように心掛けてください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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