お酒を飲ませての性行為は犯罪? | 大阪難波(なんば)・堺の刑事事件に強い弁護士|弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイ

お酒を飲ませての性行為は犯罪?

お酒を飲むことで気が緩んでしまい、性行為に及んでしまったというケースは、多く見られます。お酒を飲ませた後に性行為をした場合、性犯罪として問われてしまうのか気になる方は多いでしょう。

そこで今回は、お酒を飲ませた後の性行為は犯罪なのか、どのような罪に問われるのかなどを詳しく解説していきます。

 

お酒を飲ませての性行為は犯罪になるのか?

故意にお酒を飲ませてから性行為に及んだ場合、性犯罪として認められるケースがあります。性犯罪の罪は重く、暴行や脅迫によって性行為をした場合も罪に問われてしまうのです。

また性行為に至らなくとも、暴行や脅迫をしてわいせつ行為をすれば、これも罪に問われてしまいますし、暴行や脅迫が無くても、故意にお酒を飲ませて酩酊状態にし、抵抗できなくした上で性行為をすればもちろん罪に問われる可能性は高いでしょう。

抵抗が困難な状況で性行為をした場合にも、罪に問われることが多いです。お酒を飲ませての性犯罪は女性のみならず、男性も被害者になります。今までは強姦罪として女性のみが被害者になっていましたが、現在は法律が改正されて男性も被害者になることがあります。

どのような罪に問われるのか

では、お酒を飲ませて性行為をしたらどのような罪に問われるのでしょうか?
ここでは、性犯罪の罪を解説していきます。

強制性交等罪

強制性交等罪は、暴行や脅迫をした後に性交などを行った場合に成立します。暴行や脅迫と言っても、相手の反抗を著しく困難にするほどの強度なものが必要です。

例として、相手を殴ったりナイフなどの凶器を用いて脅したりする行為が暴行・脅迫と言われています。

性交などには、肛門性交や口腔性交を含むため、女性のみならず男性も被害者になり得ます。
被害者が13歳以上の場合、暴行や脅迫を用いて性行為をした場合に強制性交等罪が成立するため、暴行や脅迫を用いたと評価されない場合は強制性交等罪が成立しません。

そのため、お酒を飲ませて性行為を及んだ場合は強制性交等罪に問われない可能性があります。

しかし、飲酒に加えて暴行や脅迫をした場合は強制性交等罪に問われてしまいます。

ちなみに、18歳未満にお酒を飲ませて性行為に及んでしまった場合は、強制性交等罪には問われませんが、青少年保護育成条例違反に問われる可能性があるので覚えておきましょう。

準強制性交等罪

準強制性交等罪とは、意識を失う程の酩酊状態にさせたり抵抗能力をなくさせたりした時に性行為に及んだ場合に問われる罪状です。

心神喪失とは、精神的な障害などで性行為に対する判断能力を失った状態を指します。
お酒を飲んで泥酔状態にさせた場合もこれに当たるため、お酒を飲ませて性行為をした場合は準強制性交等罪に当たる可能性があります。

相手を泥酔状態にしなくとも、抗拒不能の状態にさせて抵抗できなくして性行為に及んだ場合も準強制性交等罪になるのです。

ちなみに、13歳未満に同じようなことをしても準強制性交等罪として認められます。

強制わいせつ罪

強制わいせつ罪とは、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に問われる罪状です。
性交などに至らなくとも、暴行や脅迫を用いてわいせつ行為とみなされることをした場合に成立します。

わいせつな行為とは被害者の性的羞恥心を害する行為を言い、合意のないキスや被害者の胸やお尻などに直接触れることです。

わいせつ行為の被害に遭うのは女性が多いですが、男性も被害者の対象となっています。

準強制わいせつ罪

準強制わいせつ罪とは、心神喪失や抗拒不能な状態にしてわいせつ行為をした場合に成立する罪状です。
こちらも強制わいせつ罪と同じく、性交などに至らなくとも成立します。
お酒を飲ませて相手を酩酊状態にした場合や、抵抗不能な状態にして合意なくキスや胸などを直接触った場合に問われるので覚えておきましょう。

 

裁判になった場合は?

強制性交等罪と強制わいせつ罪などの犯罪は、2017年に改正されたことにより非親告罪となりました。

被害者が加害者の処罰を求める意思表示を捜査機関にしなくとも、検察官が起訴できるようになったのです。

もし、お酒を飲ませて性行為を合意の上でした際に後から相手側から訴えられたとしたら、どうすれば良いのでしょうか?

その場合は、被害者と示談をして量刑を軽くしてもらうことを考えてみましょう。
強制性交等罪や準強制性交等罪は、法定刑が懲役刑のみで罰金刑がありません。

そのため、有罪判決が出されると刑務所に入らなければならないのです。
刑務所に入ることを避けるには、起訴後であっても被害者と示談をすることが重要となります。

被害者と示談が成立していることは、示談金の支払いによって被害が回復し、被害者の処罰感情が減少または失われたものとして、加害者に有利な状況として考えられます。

性犯罪に関しては被害者が加害者と会うことを拒絶することが多いため、友人や家族などで示談を成立させるのは非常に困難です。

もし示談交渉をする場合は、弁護士に相談してみると良いでしょう。

 

無罪になることはあるのか?

お酒を飲んで酩酊状態にした後に、性行為に及んだ場合は準強制性交等罪として問われる可能性がありますが、過去の判例で過去の判例で性行為を及んだ際でも無罪になったケースがあります。

ここでは、無罪になるケースをご紹介します。

合意の上で性行為に及んだ

被害者が13歳以上で、お互い合意の上で性行為に及んでいた場合は強制性交等罪や準強制性交等罪は成立しません。

合意の上といっても被害者の内心の問題なので、明確に裏付けられる証拠は存在しないと言っても良いでしょう。

しかし、少なくても裏付けられる証拠がある場合は裁判所に提出してみると良いかもしれません。

例えば相手から誘われた場合は、誘われた際のメモ書きを証拠として用意しておいたり合意をした時の音声を証拠として用意したりすると良いでしょう。

相手が抵抗できなくとも合意していると誤信するような状態だった

被害者との合意がなくても、加害者側が「合意があった」と誤信していた場合も準強制性交等罪などは成立しません。

相手が性行為について積極的な拒否の意思を示さずに抵抗しなかった場合は、裁判所では許容していると誤信してしまうような状況という内容になりかねないのです。

そのため、お酒を飲ませて性行為をしたという内容が裁判になった場合は、被害者の合意の有無を争うことになります。

 

まとめ

お酒を飲ませた後の性行為は、準強制性交等罪という罪に問われる可能性は高くなります。
もし裁判になった場合は、必ず被害者との合意の有無を確認しましょう。
そして、裁判では嘘偽りのないありのままの内容を説明することが重要です。

嘘を言ってしまうとそこでまた刑を積むことになるので、嘘偽りのない発言をしましょう。
無罪を勝ち取りたい場合は、その行為に及ぶ前の物的証拠や口頭の証拠が必要になります。

性犯罪で無罪になることはなかなか少ない例ですが、過去には相手が許容していると誤信する状況にあったとして無罪になっている判例が出ています。
このような性犯罪が起きないように、みんながお酒の力を過信しすぎないように注意していくことも大切です。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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