事案の概要
電車で口論になり,未成年の被害者を蹴る等の疑いをかけられた事件 相談内容
そもそも,私の蹴った足は相手の荷物には当たりましたが,相手の体にあたったかどうかについても覚えていません。ただ,当たっていたとしても,被害者がそんなに大きな怪我をしたとは思えません。当たったのであれば,謝罪もしたいと思いますし,示談が必要であれば示談もしてほしいです。どうすればよいでしょうか? 弁護士からのアドバイス
医師の診断書などがあって,被害者の申告があれば,蹴った足が相手の体に当たった事実は認められてしまう可能性があります。本件でも医師の診断書があった事案でした。
また,被害者が未成年であれば,交渉の相手方は両親(法定代理人)になることが通常です。
そのため,親と示談交渉をしたところ,親からは明らかに不当な金額の示談金を提案されたことや交渉態度も極めて劣悪であったことから,依頼者様と相談して,示談交渉を打ち切ることにしました。
そこで,次善の策として,本件において適正と考えられる慰謝料額を法務局に供託手続を行い,被害者の親の交渉態度や交渉経過を報告書にまとめて,反省文などの書面とともに添付して検察官に不起訴意見を述べたところ,不起訴となりました。
被害者が未成年の場合には,両親との交渉となり,交渉が難航する場合もあります。被害者の方の中には,被害感情のあまり,到底実現不可能な要求をされる方もおられます。
しかしながら,示談交渉は事案の内容に照らして適正な金額を提案すべきものですし,そのことは検察官もある程度理解しています。
そのため,無茶苦茶な金額を要求されたために,示談が成立しないと考えられる場合には,供託という手段が有効です。
もちろん必ず供託ができるというわけではありませんので,希望される場合には,弁護士にご相談いただければと思います。