【丸わかり】「ながら運転」で事故!家族が取るべき対応 - 刑事事件に強い大阪の弁護士法人ロイヤーズハイ

弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイ
大阪難波・堺・岸和田・神戸の 刑事事件 加害者側専門サイト

【丸わかり】「ながら運転」で事故!家族が取るべき対応

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク

【丸わかり】「ながら運転」で事故!家族が取るべき対応

 

 

「ながら運転」が厳罰化されたことをご存知の方は多いかもしれませんが,実際どのように厳罰化されたのでしょうか?また,スマホの操作以外に「ながら運転」に当たる可能性のあるものは何でしょうか?「ながら運転」が原因で事故を起こした場合,どのような罪に問われてしまうのでしょうか?

今回はこのような疑問について解説します。

 

 

1 厳罰化された「ながら運転」の罰則内容

⑴「ながら運転」とは?

 

一般的に,ながら運転とは,自動車の運転中に,スマートフォン・携帯電話やカーナビを注視したり,操作したりすることを言います。もちろん,車に限らず,自転車やバイクの運転中にスマートフォン等を見ることも,ながら運転に当たります。

今回は,自動車のながら運転について解説をします。

 

⑵ながら運転は,2019年に厳罰化されました!

 

道路交通法の改正によって,「携帯電話使用等」に関する罰則が強化されました。ながら運転の厳罰化の背景には,ながら運転によって悲惨な事故が多発していることがあるのでしょう。

具体的に,ながら運転をした時の罰則は,以下の通りです。

道路交通法

(運転者の遵守事項)

第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

(略)

五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第四号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第四号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

 

第百十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

(略)

四 第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第百十七条の四第一項第二号に該当する者を除く。)

第百十七条の四 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

(略)

二 第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者

 

まず,道路交通法は,以下の行為を規制しています。

①自動車が停止しているときを除いて,自動車の運転中に

②携帯電話や,自動車電話用装置,その他の無線通話装置を通話の為に使用

又は

③当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視

 

①によると,自動車が信号で停止しているとき,道路の路肩に一時停止しているときは,ながら運転は問題になりません。

しかし,たとえ徐行をしていたとしても,携帯電話の通話や画面の注視は,道路交通法違反となります。カーナビの操作も同様です。

画像表示用装置とは,放送,及び通信によって与えられる文字,数字,図形,画像を表示する機器をいいます。

最近は,携帯電話の通知を時計型の機器で受信できますが,このような機器も運転中に注視してしまうとながら運転の対象となってしまうでしょう。

 

では,携帯電話を手に持たず,ハンズフリーで通話することは,違法なのでしょうか。

ハンズフリーのイヤホンは,その名の通り,手で携帯電話を持たなくても通話が可能です。そこで,「その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないもの」には当たりません。

よって,ながら運転には当たらないようにも思えますが,各都道府県の条例では,このハンズフリーでの通話が,道路交通規則によって「安全運転義務違反」として扱われているところもあります。ハンズフリーだからと運転中に通話をしていると,罰則が科されるかもしれません。

ながら運転は,六月以下の懲役又は十万円以下の罰金が科されます。

携帯電話をちょっと見ていただけなのに!と思われるかもしれませんが,それほどながら運転は危険だということでしょう。

 

道路交通法には,反則金という制度があります。

反則金制度とは,自動車等の運転者について,法令に定められた反則行為については,反則金を納めることで,逮捕や刑事裁判を回避することが出来る制度です。

ながら運転での反則金は以下の通りです。

大型車 2万5千円
普通車 1万8千円
二輪車 1万5千円
原 付 1万2千円

 

(3)ながら運転中に事故を起こしてしまったら?

ながら運転をしていて,事故を起こしてしまった時,一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金が科される可能性があります。

ながら運転による事故は,反則金制度の対象ではありません。よって,反則金を支払うことで罰則を回避することが出来ません。

また,ながら運転による交通事故を起こした時,違反点数は6点です。

過去三年間の違反点数が6点以上14点以下のとき,免許停止処分になりますから,過去に何の違反をしていなくても,ながら運転による事故を起こしてしまえば免許停止になってしまうかもしれません。

 

2 「ながら運転」で事故を起こした加害者に成立する可能性のある刑法上の罪とは

ながら運転によって事故を起こした時の,道路交通法による罰則は先述した通りですが,刑法上の罪はどうなるのでしょうか。

 

⑴過失運転致死傷

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

(過失運転致死傷)

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

 

まず,ながら運転により自動車の運転上必要な注意を怠ったとして,過失運転致死傷に問われます。

量刑は,かなり重く,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金です。

「傷害が軽い時」とは,日常生活に支障を来さず,医療行為を必要としない,日常生活上看過される程度の身体の障害を言います。ながら運転をしていて,目の前に突現自転車が現れ,ブレーキをかけて接触せずに済んだものの,相手が驚いて転倒した場合には,傷害が軽いと気に当たる可能性もあります。

 

⑵ながら運転そのものは危険運転致死傷罪にはならない

(危険運転致死傷)

第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

五 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為

六 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為

七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 

飲酒運転などの危険な運転による事故が相次いだために規定された危険運転致傷罪は,ながら運転は当てはまらないのでしょうか。

・飲酒運転(薬物を含む)

・高速度での走行

・未熟な運転技術での運転

・あおり運転

・赤信号の殊更な無視

 

このような行為類型が,主に危険運転致死傷罪に当たります。

一見すると,ながら運転は,危険運転致死傷罪には当たらないとも思えます。

しかし,携帯電話を操作・注視しながら自動車を運転させることで,知らず知らずのうちにスピードが上がってしまうかもしれません。また,赤信号に気が付かないかもしれません。

このように,ながら運転は危険運転致傷罪の行為類型に該当する可能性があるのです。

危険運転致死傷罪は,人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処されます。

 

⑶ひき逃げは厳罰

ながら運転をしていて,事故を起こしてしまい,怖くなってそのまま逃げてしまったら,さらに重い刑罰が科される可能性があります。 道路交通法は,人身事故を起こしてしまった人に対して,次のような義務を設けています。

第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。

(略)

第百十七条 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項前段の規定に違反したときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

(略)

第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

(略)

十七 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者

 

 ①救護措置義務違反

交通事故を起こした場合,車両の運転者やその乗務員は,直ちに車両の運転を停止して,負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じる義務が生じます。

相手と接触しなかった,相手の方が過失が大きい,相手が「救急車呼ばなくても大丈夫ですよ」と言ったとしても,救護義務違反になる可能性があります。

ひき逃げは,救護措置義務違反を怠ったとして,五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が科されます。

さらに,交通事故において,運転者の運転が原因で相手がけがをしたり,亡くなった場合,さらに十年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されます。ながら運転をしていて,交通事故を起こしてしまったら,運転者の運転が原因であると判断され,罰則が重くなる可能性があります。

 

②報告義務違反

交通事故が発生したことを警察に報告することを怠ると,報告義務違反となります。

報告は,その場ですぐに行う必要があり,あとで警察に言おうと思ってとその場を立ち去ってしまうと,報告義務違反になります。

参照:ひき逃げをした時の罪責

 

3 「ながら運転」で事故を起こしたとき,弁護士に依頼するメリット

これまでながら運転の罰則や,ながら運転によって交通事故を起こしてしまった時の罰則について解説しました。2019年の改正を機に,ながら運転はかなり厳罰化が進んでいます。

そこで,ながら運転によって交通事故を起こしてしまったら,弁護士に相談することをお勧めします。

まず,人身事故であれば,被害者の方との示談はとても重要です。

示談を成立させることで,寛大な処分を期待することが出来ます。

 

しかし,人身事故は,被害者の方から膨大な損害賠償請求をされてしまうことも少なくありません。

そこで,弁護士が間に入ることで,適正な損害賠償での示談を成功させます。

また,気が動転してひき逃げをしてしまった場合,弁護士が自首同行(出頭同行)に付き添います。

ひき逃げ事件は逮捕される可能性がかなり高いです。逮捕するかしないかは逮捕の必要性から判断され,逮捕の必要性とは,逃亡の可能性や証拠隠滅の可能性を考慮します。

 

一度現場から逃亡したひき逃げ犯は,逮捕の必要性が高いとして,身柄を拘束されてしまうのです。

出頭することで,必ず有利に働くとは限りませんが,逃亡の可能性や証拠隠滅の可能性が低いと判断され,比較的早期に身柄を解放してもらえるかもしれません。

 

そこで,弁護士に同行を依頼することが出来ます。

自首・出頭は,一人で行うことももちろんできます。

しかし,弁護士に依頼することで。精神的負担が軽くなるというメリットの他にも,出頭の時点から弁護士が就くことで,その後の取り調べをどのように受けるかについてアドバイスをもらうことが出来ますし,被害者との示談活動もすぐに取り掛かることが出来ます。

参考:自首に同行してほしい

 

ながら運転で交通事故を起こしてしまったら,一人で悩まずに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

法律事務所ロイヤーズハイは,各種の刑事事件に積極的に取り組んでおり、弁護活動実績も高いです。

さらに,難波・堺・岸和田という大阪の主要地に法律事務所を構えており,土日祝日に関係なく,夜間の対応もできます。

ぜひ法律事務所ロイヤーズハイにご相談ください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク