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タクシー運転手への暴行でトラブル!問われる罪と後日逮捕の可能性

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タクシー運転手への暴行でトラブル!問われる罪と後日逮捕の可能性

 

最近ようやくタクシーの数もコロナ禍前に戻ったように感じます。タクシーは大変便利な移動手段ですが,乗客とタクシー運転手が二人きりで移動するうちに,トラブルに発展することも多いです。

例えば,飲み会帰りにタクシーで自宅へ帰ろうとしたとき,かなり酔っていて,そこからの記憶がない。すると警察から電話で「強盗罪の容疑がある。警察署で話を聞かせてもらいたい。」と告げられたら,あなたはどうしますか?また,酔ってはないが,タクシーの運転士の態度が気に入らず,喧嘩に発展してしまったら,どのような罪に問われるでしょうか?

今回のコラムでは,タクシー運転手とのトラブルにまつわる犯罪について解説していきます。

 

 

1 タクシー運転手への暴行で脅迫罪や強盗罪,詐欺罪に問われるケース

⑴暴力によって運賃の支払いを免れれば,強盗罪になる!?

(強盗)

第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(強盗致死傷)

第二百四十条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

 

強盗罪と言えば,暴行や脅迫を用いて「金を出せ!」と脅し,財産を得るというケースが一般的です。

タクシーに対する強盗もこのような形が多いです。具体的には,タクシーの売上金を得るために,運転席にいるタクシー運転手を脅し,売上金を得るケースです。

 

一方で,売上金そのものは強取しないものの,自分が乗った分の乗車料金を,暴力や脅迫によって踏み倒すというケースも,強盗罪に当たります。

なぜなら,タクシーの運転手からの乗車料金の請求を逃れるということが,二項でいう「財産上不法の利益を得る」ということに該当するからです。

タクシーの料金に納得がいかず,払いたくないと思って,酔っていたこともあり大声で運転手を罵倒し,運転手が畏怖したのでそのまま支払わずに下車したケースでも,強盗は強盗です。量刑は,5年以上の有期懲役となります。

 

さらに,暴行でタクシー運転手が負傷させれば,量刑は,無期または6年以上の懲役,死亡させたときは死刑または無期懲役と,非常に重く規定されています。

強盗罪は,自分の欲の為に他人を虐げる,非常に悪質な犯罪です。酔っていたから,タクシー運転手の態度が気に入らなかったからという理由では,許されるはずがありません。

 

⑵強盗罪が成立しないケースもあります

もっとも,強盗罪の成立には,代金の支払いを免れるという目的を持って,暴行,脅迫を行う必要があります。最初は代金を支払うつもりだったが,運転手とトラブルになり暴行した後に,代金を払う気が無くなり,そのまま立ち去った様な場合には,強盗罪は成立せず,窃盗罪には利益窃盗罪は存在しませんから,暴行罪のみが成立します。

しかし,人がどの時点でどのような目的があったかは,客観的な事情から判断するので,強盗目的で暴行したと捜査機関に疑われ,逮捕される可能性もあります。

 

⑵脅迫罪

(脅迫)

第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

 

タクシー運転手との口論がヒートアップしてしまい,タクシー運転手に対し,「殺してやる」「ここで働けなくしてやる」などと言ってしまったら,脅迫罪が成立する可能性があります。

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知したものは,脅迫罪に当たります。

量刑は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金です。

 

⑶暴行罪,傷害罪

(傷害)

第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(傷害致死)

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(暴行)

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

たとえ金銭目的でなくとも,タクシーの運転手に対する暴行は,暴行罪が成立します。

最近,タクシーの運転手と座席の間には,アクリル板が設置されていることが多いです。ですので,タクシーの中で暴行するのであれば,タクシーの運転手を直接殴るというよりは,アクリル板を殴る,運転席を蹴るというケースが多いと思われます。

このとき,直接殴ってないのだから,暴行罪には当たらないだろうと思うかもしれません。しかし,暴行とは,他人にむけた有形力の行使をいい,間接的であっても暴行となるため,アクリル板を殴る行為は,暴行と判断されます。運転手の座っている運転席を蹴る行為も同様です。量刑は,三年以上の有期懲役です。行為の悪質性によって,量刑にかなりの違いがあります。

タクシーの運転手に傷害を負わせたら,傷害罪が成立します。量刑は,十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金です。

参考:暴力を振るって刑事事件になったら、弁護士に相談

 

⑷詐欺罪

(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

乗車料金を支払うつもりがないのにタクシーに乗った場合,詐欺罪に問われる可能性があります。

タクシーに乗車することは,乗車料金を支払うことが黙示的に表示されています。料金を支払うつもりがないのにタクシーに乗る行為は,運転手を欺く行為です。運転手は,タクシー料金が支払わされるものと誤信してタクシーを運転します。よって,乗客は,タクシーに乗車したという利益を得たものとして,二項の詐欺罪が成立する可能性があります。

ここで,タクシーが目的地に着く前に,運転手が乗客に支払の意思がないことに気が付いて,途中で下ろしたとしても,タクシーが運転を開始した時点で,詐欺罪は成立しています。

量刑は,十年以下の懲役と,非常に重く規定されています。

 

2 タクシー運転手への暴行・強盗で罪に問われたら後日逮捕されるのか?

⑴逮捕される可能性が高い

強盗や詐欺は,非常に悪質な犯罪ですから,タクシー運転手への強盗罪,詐欺罪は,逮捕される可能性が高いでしょう。

暴行,傷害,脅迫の罪であったとしても,泥酔していて容疑を否認していたり,その場から逃走しているのであれば,逃走や証拠隠滅の恐れがあるとして,逮捕の可能性が高くなります。

現行犯逮捕されていなかったとしても,身元を特定され,後日逮捕される可能性があります。

最近のタクシーは,ドライブレコーダーが搭載されていることが多いです。ドライブレコーダーは,その機種によっては,車内の様子も記録しています。また,自分の携帯電話からタクシーを手配すれば,通話履歴が残っています。

このような証拠から身元を特定して被疑者を発見し,後日逮捕されることがあります。

 

⑵お酒に酔っていたから何も覚えていないときは

タクシーに乗る前からひどく酔っていて,何も記憶にないとしたらどうすればいいでしょうか?

結論から言えば,原則として,酔っていたからと言って罪が無くなるわけではありません。

それどころか,「やっていません」と繰り返し供述すれば,捜査に協力的でないと判断され,逃亡,証拠隠滅をはかることの無いように,身体拘束の期間が延びてしまうかもしれません。

出来る限りの覚えていることを話し,覚えていない部分は「覚えていない」と正直に話しましょう。

タクシー運転手と示談を行うことも,その後の処分に有利に働く可能性があります。

参考:酔って暴力をふるったと言われたが記憶がない!罪になるの?被害者や警察への対処法

 

3 タクシー運転手への暴行・強盗で罪に問われそうなときに,弁護士に相談するメリット

タクシー運転手とのトラブルで罪に問われそうなとき,弁護士に相談することのメリットは,以下の通りです。

 

⑴取り調べに対するアドバイスを受けられる

現行犯で逮捕されたり,警察に来るように言われたりすると,その後は警察による取り調べが始まります。

運転手とのトラブルの内容によっては,どのような目的でタクシーに乗ったのか,乗車料金を支払う気が合ったのかが,非常に重要なポイントとなります。「1%も,料金を踏み倒そうと言う気持ちはなかったのか?」などと言われながら長時間取調べを受けていると,そんなつもりはなくても,あったかもしれないという気持ちが芽生えてしまい,自白してしまうというケースは少なくありません。取調べの供述は,取調べ調書に記録され,のちの裁判で証拠として提出されます。証拠として提出されてしまったら,後から否定することは難しいです。

また,酔っていたから何も覚えていないという供述を繰り返すことは,場合によっては自身を不利な立場に追いやってしまいます。捜査機関からの取調べもどんどん厳しくなる可能性があります。

しかし,法律の知識のない方からすれば,どのように供述すればよいのか判断することは困難でしょう。

そこで,弁護士が,取調べに対するアドバイスをします。また,被疑者の人権を脅かすような取調べは違法ですから,そのような取り調べを行われることの無いように捜査機関に主張します。

 

⑵被害者と示談をすすめることが出来る

刑事事件の弁護活動において,被害者との示談活動は非常に重要です。

示談を成立させることで,被害者の方の告訴を取り下げてもらうことが出来ますし,被疑者の反省も伝わります。

もっとも,被害者の方は,直接加害者と連絡を取ることを拒否することが多いです。また,当事者同士の話し合いは,お互いに冷静になれず,上手くまとまらない可能性が高いです。

そこで,法律の専門家であり,第三者である弁護士が,被害者と連絡を取って,示談を成立させます。

 

⑶自首に同行してもらえる

自首とは,捜査機関に犯罪が発覚する前に自ら罪を自白し処分を委ねることを言います。

自首が成立すると,刑を減刑される可能性があります。また,逃亡や証拠隠滅の恐れがないとして,逮捕ではなく,在宅事件として扱われるかもしれません。

タクシーの運転手とトラブルを起こし,そのまま自首しようと思ったとき,弁護士が自首に同行することが出来ます。

弁護士が同行することで,今後の対応やするべきこと,その後の取調べのアドバイスを行うことが出来ます。

参考:弁護士に自首に同行してほしい

 

4 まとめ

今回のコラムでは,タクシー運転手とのトラブルで成立する可能性のある犯罪や,弁護士に依頼するメリットについて解説しました。

刑事事件は,時間との勝負です。早期に弁護士に相談することが,タクシー運転手とトラブルになったご自身やご家族の処分を大きく変えます。

相談する弁護士は,刑事弁護に強い弁護士をお勧めします。弁護士は法律の専門家ですが,その分野は多岐にわたります。刑事事件の中でも,タクシー運転手とのトラブルに強い弁護士に依頼しましょう。

法律事務所ロイヤーズハイは,夜間・休日の対応も可能な法律事務所です。

在籍している弁護士は,刑事事件の経験が豊富です。

ぜひ,法律事務所ロイヤーズハイにご相談ください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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