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家族が特殊詐欺のリクルーターだった!逮捕されたらどうする?

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【必見】家族が特殊詐欺のリクルーターだった!逮捕されたらどうする?

 

 

息子が特殊詐欺のリクルーターとして逮捕されてしまいました。確かに最近妙に羽振りがいいなと思っていましたが,まさか特殊詐欺に関わっているとは思いませんでした。きっと何も知らずに巻き込まれたのだと信じていますが,息子の今後が心配です。息子はどうなるのでしょうか?

今回は,特殊詐欺のリクルーターとして逮捕されてしまったらどんな罪に問われるのか?を中心に解説していきます。

 

 

1 特殊詐欺のリクルーターとは?

 

そもそも,特殊詐欺のリクルーターとは,どのような役割を言うのでしょう?

リクルーターの本来の意味は,日本の就職活動において,採用(リクルート)を担当する人のことです。具体的には,就職希望の人を補助したり,企業の魅力を,就職活動をしている人へ発信したりする人のことを言います。

特殊詐欺におけるリクルーターとは,犯罪組織の人員を集める役として使われることが多いです。

そもそも,特殊詐欺とは,電話やはがきを用いて被害者の親族や,公共機関の職員を騙り,現金やキャッシュカードをだまし取ったり,還付金などを受け取れると言ってお金を送金させたりする犯罪を言います。代表的なものに,オレオレ詐欺があります。

参考:高齢者を狙う様々な詐欺の手口

 

このような特殊詐欺は,被害者に電話をかける掛け子,被害者からキャッシュカードやお金を受け取る受け子,被害者から送金されたお金を出金する出し子など,複数人によって構成されていることが多いです。

また,このような実際の犯罪行為をする構成員は,組織の中で地位が低い者が行います。犯罪の現場に行くということは,捕まる可能性が高いからです。実際にこれらの構成員が捕まったとしても,情報をほとんど知らされていないことが多く,捜査機関が犯罪組織そのものを特定することは困難となります。

実際に犯罪行為を行う構成員を募るのが特殊詐欺におけるリクルーターの仕事です。

組織によって具体的な仕事は異なりますが,一般的に,リクルーターは,SNSなどで「闇バイト」や『副業』などと称して,人を集めます。仕事を紹介するのに必要だから等と言って,バイトに応募してきた人達の個人情報を得て,警察に自首したり,逃げられないようにすることも,リクルーターの仕事だったりします。

関連記事:詐欺の「受け子」として逮捕されたらその後どうなる?刑罰の内容と対処法

 

2 特殊詐欺のリクルーターが逮捕されたらどうなる?問われる罪とは

⑴詐欺罪の量刑は?複数回犯罪を行っていたら?

では,特殊詐欺のリクルーターが逮捕されたら,どのような犯罪に問われるのでしょうか。

特殊詐欺そのものは,詐欺罪に当たります。

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

 

詐欺罪には,罰金刑が存在しません。有罪判決が下されれば,執行猶予がつかない限りは刑務所に収監されてしまいます。

さらに,特殊詐欺は,一つの犯罪だけでなく,何十,何百と被害者がいるケースが殆どです。

複数回犯罪行為を行っているのであれば,併合罪となります。

(併合罪)

第四十五条 確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

(併科の制限)

第四十六条 併合罪のうちの一個の罪について死刑に処するときは、他の刑を科さない。ただし、没収は、この限りでない。

2 併合罪のうちの一個の罪について無期の懲役又は禁錮に処するときも、他の刑を科さない。ただし、罰金、科料及び没収は、この限りでない。

(有期の懲役及び禁錮の加重)

第四十七条 併合罪のうちの二個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

 

47条によると,併合罪となった懲役刑の定めのある犯罪は,最も重い罪の1.5倍の範囲で処罰が下されます。特殊詐欺を複数回行い,併合罪となった場合は,10年の懲役刑に1.5倍をかけた15年となります。詐欺罪の長期の合計となる20年を下回っていますので,15年の懲役という範囲での処罰が可能です。

もっとも,特殊詐欺は,詐欺に関わらず様々な犯罪が絡んでいる可能性が高いので,15年以上の懲役刑が下されるケースももちろんあります。

特殊詐欺罪は厳罰化が進んでおり,被害が甚大で広範囲であることが多く,初犯であっても実刑判決が下されることが少なくありません。

参考:詐欺

 

⑵リクルーターは詐欺行為を行っていないのに,詐欺罪になるのか?

先述の通り,リクルーターはいわば人集めをしただけに過ぎません。実際に詐欺行為を行い,被害者からお金をだまし取ったわけでもないのに,詐欺行為に問われるのでしょうか?

結論から言えば,リクルーターの仕事内容,地位。報酬によっては,詐欺行為を行ってなくとも犯罪の重要な役割を果たしたとして,詐欺罪の共同正犯に問われる可能性があります。

共同正犯とは,複数の人間が,共同して犯罪を実行することを言います。似た言葉に幇助罪がありますが,幇助とは,他人の犯罪行為を手助けをする一方で,共同正犯は,自分の犯罪として犯罪行為を実行します。

(共同正犯)

第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

(省略)

(幇ほう助)

第六十二条 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。

2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

(従犯減軽)

第六十三条 従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。

 

共同正犯は,正犯とされますので,詐欺罪の場合は,懲役10年以下の範囲で量刑が下されます。

一方,幇助罪は,正犯の刑が減刑されますから,懲役10年以下の刑が減刑されます。

なぜ,リクルーターは幇助ではなく共同正犯とされることが多いのでしょうか?共同正犯と幇助罪を分けるポイントは,自分の犯罪か,他人の犯罪かにあります。

自分の犯罪なのか,他人の犯罪なのかは,犯罪行為にとってどれほど重要な役割を果たしたかが判断材料となります。

具体的には,行った行為が犯罪にとってどれほど重要か,犯罪グループの中での立場はどのようなものか,もらっていた報酬は高いか,等様々な事情を考慮します。幇助罪は,ただ単に「誰かが来たら教えてくれ」といわれて訳も分からず見張り役をさせられたり,車両を運転して運送を行わされたりするようなケースを言います。

 

先述の通り,リクルーターは,詐欺行為の実行犯を募るという重要な役割を果たしており,グループの中でも中枢の地位にいることが多いです。そのため,幇助犯ではなく,共同正犯として処罰される可能性が高いです。

しかし,リクルーターの実態は犯罪組織によって変わりますから,ただ人を集めてきてほしいと言われていただけだったり,報酬が極端に低かったりするようなケースでは,幇助犯として扱われることもあります。

 

3 特殊詐欺のリクルーターが逮捕されたらすぐに解放してもらえるのか?

特殊詐欺罪のリクルーターが逮捕されたら,すぐに身柄を解放してもらえるのでしょうか?

結論から言えば,リクルーターの身柄拘束は,かなり長期になる可能性が高いです。

そもそも,逮捕・勾留によって身柄を拘束される理由は,証拠隠滅の恐れや逃亡の恐れにあります。特殊詐欺の犯罪グループは,一網打尽にすることがかなり難しく,未だに素性の分かっていない構成員が存在する状況で,リクルーターの身柄を解放すると,構成員と何らかの手段で連絡を取って逃亡,証拠隠滅を図る可能性があるのです。

また,リクルーターは複数の犯罪に関与していることが多く,全ての犯罪について捜査を行うことはかなりの時間を要します。

さらに,特殊詐欺の被害者は一人や二人ではありませんし,それぞれに甚大な財産的被害が出ており,それに伴って被害者の処罰感情はかなり大きいことが多いのです。

ですから,特殊詐欺のリクルーターが被害者全員との示談を行うことは,非常に困難を極めます。

示談とは,被害者に真摯に反省し,許しを得ることで,身柄の解放や寛大な処分を訴えるものですから,示談が出来ないことは,弁護活動にとって不利に働きます。

参考:再逮捕の正確な意味とは?テレビやニュースの再逮捕との違い

 

4 特殊詐欺で逮捕されたらすぐに弁護士にご相談を

ご家族が特殊詐欺で逮捕されたら,すぐに弁護士に相談をすることをおすすめします。

犯罪行為を疑われて逮捕された場合,逮捕されてから48時間以内に,警察は検察官に送致するかどうかを決めます。検察官に送致されたら,そこから24時間以内に,検察官が勾留請求を行うか否か判断されます。

つまり,一つの犯罪については,逮捕されてから勾留請求がされるまで72時間しかありません。

勾留請求が可決されるかは,それまでの捜査への協力の姿勢や,反省の態度,被害者との示談の有無,逃亡可能性などが考慮されます。裁判官が検察官の勾留請求を許可すると,そこから10日間,最大で20日間もの間身を拘束されてしまいます。

早期の身柄の開放を望むのであれば,早期に弁護士が介入することが必要不可欠だと言えるでしょう。

弁護士は,逮捕された本人からすぐに話を聞き,状況を整理することで,特殊詐欺罪のどのような立ち位置を疑われ逮捕されているのか,詐欺罪の共同正犯か幇助か,どちらが成立する可能性があるのかを整理することが出来ます。そして,その後の取り調べでなにを話すべきかをアドバイスすることも可能です。

弁護士が状況を整理した結果,どうやらリクルーターとは名ばかりで,単に人集めを依頼されたにすぎないことや,他の構成員のことをなにも知らないことなどが判明すれば,捜査機関にその事実を訴え,寛大な処分を求めることも出来ます。

示談が困難であれば,贖罪寄付という手段を取ることも可能です。贖罪寄付とは,示談の代わりに,弁護士会を通じて社会の為に寄付を行うことを言います。このような行為は,本人が反省していることを訴える情状の一つになります。

このように,刑事事件の弁護活動において弁護士は非常に需要な役割を担っています。本人やご家族が,特殊詐欺で逮捕されたら,出来るだけ早く弁護士に相談しましょう。

すべての弁護士が刑事事件に精通しているとは限りません。刑事事件の中でも,特殊詐欺事件に強い弁護士に依頼することをおすすめします。また,休日や夜間であっても対応してくれる法律事務所を探すのが良いでしょう。

そこで,夜間・休日の対応も可能で,大阪の主要地,難波・堺・岸和田にオフィスを構える法律事務所ロイヤーズハイにお任せください!

特殊詐欺事件を含む,刑事事件の実績が豊富な弁護士に,是非ともご相談ください。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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