駅のエスカレーターの盗撮行為
防犯カメラや駅の改札を通る際のICOCA、PITAPA、SUICA、PASMOなどの交通系ICカードの履歴を解析することで、警察が盗撮した犯人を特定して、後日突然逮捕される可能性があります。
1 駅のエスカレーターの盗撮事件でよくあるケース
大阪の最寄り駅のエスカレーターで、スマートフォンの録画モードを使用して、スカートの下に差し入れて、前にいる女性のスカートの中を盗撮してしまいました。その際、私の後ろにいた人が気づいて「盗撮してますよね?」と声をかけられました。前にいた女性も私の方を振り向いて、「え、盗撮したんですか?」と言われました。私は、やばい、このままだと捕まると思って目の前が真っ赤になって、エスカレーターを駆け上り、一目散に逃げました。
逃げている途中、被害女性や駅員から「待って」などと言われた気もしますが、無我夢中で逃げたので、よく覚えていません。そして、駅の出口の改札をICOCAを使って抜け出しました。
きっと被害女性の人は駅前交番で被害届を出しているはずです。駅の防犯カメラにも私が逃げる姿が映っている可能性もあります。突然、警察が自宅や職場に来て逮捕されるのではないかと不安に思っています。
盗撮をしていたことを家族や職場には絶対に知られたくありません。また、ネットニュースやマスコミに報道されたらどうしようかと不安に思っていて、夜眠ることもできません。
2 駅のエスカレーターの盗撮事件の特徴について
駅構内のエスカレーターは、大勢の人がエスカレーターを利用している場面でスマートフォンをスカートの中や下に差し入れて盗撮することが大半です。
盗撮している本人は、大勢周りにいるからバレないと思って盗撮行為を行ってしまいがちですが、撮影録画する際の音声や不自然な挙動、うしろにいる人から見たときに不審な動きをしているため発覚する可能性が十分にある盗撮類型になります。
また、紹介したケースでは、現場から逃走した事例を紹介しましたが、周りに人が大勢いる状況では、エスカレーターを駆け上がることも人混みでできないことも往々にしてあり、そのような場合には駅員室に連れていかれて、その場で警察を呼ばれて刑事事件として捜査が始まることが通常です。
罪名 撮影罪(性的姿態撮影等処罰法違反) 罪の重さ 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
3 後日逮捕の可能性
駅に設置された防犯カメラ、ICOCAなど交通系ICカードの履歴を解析することで、警察があなたを特定して、突然自宅や職場に逮捕をしにくる可能性もあります。
4 弁護士に依頼した場合の対応
まず、既に警察は捜査を開始している可能性があり、突然あなたの自宅や職場に逮捕しにきたり、逮捕までしなくとも任意同行で警察に連れていかれる可能性があります。
そうなると、盗撮していたことが家族や職場にバレる可能性があります。
そこで、あなたが逮捕されるリスクを下げるために、自首することをご検討ください。
とはいえ、いきなりご自身だけで自首することは勇気もいることですし、万が一自首しに行って逮捕でもされてしまったら同じことになってしまいます。
ですから、盗撮事件に強い弁護士が自首に同行させていただきます。
その場で、あなたに逃亡や証拠隠滅のおそれがないこと、必要に応じて弁護士が身元引受人になることを警察に伝えて、あなたが逮捕されないよう、職場や家族に知られないように対応させていただくこととなります。
また、被害女性は警察に被害届を出している可能性もあるため、警察を通じて被害女性の連絡先を確認して、示談交渉を行い不起訴処分、すなわち前科がつかないように対応していきます。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。