路上での盗撮
歩いているときに路上で盗撮行為をするケースがあります。具体的には、歩きながら女性の後ろから追い越す際に,スマートフォンの録画機能を使ってスカートの中にスマートフォンを差し入れて盗撮行為を行うという方法です。
1 路上での盗撮事件でよくあるケース
駅の構内の路上を歩いていると、前にスカートをはいた女性が目に入りました。私は好みのタイプの女性だと思って、盗撮することができないかと思って徐々に近づいて行きました。そしてスマートフォンを録画モードにして、後ろから追い抜く際にスマートフォンをスカートの下にかざして盗撮をしました。すると、被害女性がたまたま後ろを向いたので、私が盗撮していたことが一瞬見られてしまいました。そして、被害女性から「今、盗撮してましたよね?」と言われました。私は、「いえ、盗撮していません」と答えましたが、女性は「だったら、スマホを見せてください、見せていただけないなら警察を呼びます」と言われました。周りに人も集まり始めたので、逃げることは難しいと思って、スマホを見せて「すみません」と謝罪しましたが、女性は警察を呼んだため、警察に連れていかれました。
2 路上の盗撮事件の特徴について
路上での盗撮事件の場合には、被害女性の後ろから一瞬の隙をついてスマートフォンの録画機能で撮影することが特徴です。盗撮している本人としては一瞬のことなのでバレにくいと思っているのですが、不自然に女性に接近することになりますので、被害女性に発覚する可能性が十分にある盗撮類型になります。
また、紹介したケースでは、逃げ切れないと思ってその場で警察に連れていかれましたが、中には無理して逃亡しようとするケースもあります。その場合でも、近年、駅構内をはじめ、あらゆる箇所に防犯カメラが設置されていますので、いずれ追跡されて犯人特定がされることになります。下手に逃亡すれば、被害女性の被害感情を大きくしてしまいがちです。
罪名 撮影罪(性的姿態撮影等処罰法違反) 罪の重さ 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
3 後日逮捕の可能性
今回のケースはその場で警察に連れていかれましたが、逃亡した場合には、職場や自宅に突然警察が逮捕しに来たり、任意同行で警察に連れていかれる可能性があります。
4 弁護士に依頼した場合の対応
まず、今回のケースでは、被害女性が警察に通報していますので、警察の捜査が始まります。
そして、撮影罪の場合には「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」が定められています。そのため、弁護活動をして前科を付けないためには、被害女性との示談活動が重要です。
しかし、あなた自身で被害女性と示談活動をすることは、被害女性からあなたに直接連絡先を教えてもらうことは事実上不可能ですから、弁護士が替わって被害女性の連絡先を確認させていただき、示談交渉を進めていきます。示談が成立すれば、初犯の場合には不起訴になることが通常です。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。