援助交際で逮捕された場合の流れ
未成年と、いわゆる「援助交際」をすると、児童買春罪という犯罪が成立して逮捕される可能性があります。
援助交際で逮捕されると、その後はどのような流れになるのでしょうか?
今回は、援助交際で逮捕された後の流れと望まれる対処方法について、弁護士が解説します。
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1 援助交際で成立する犯罪
援助交際とは、一般的に、高校生や中学生などの女性にお金を払って性交渉や性的な行為をすることを言います。
このようなことをすると「児童買春罪」という犯罪が成立する可能性があります。
児童買春罪の「買春」とは、金品を払ったり、払うことを約束したりして、性交渉やそれに類似する行為を行うことです。
「児童」とは、18歳未満の未成年のことです。
そこで、18歳未満の未成年に対してお金を渡して性交渉やそれに類似する行為をすると、児童買春罪が成立します。
児童買春罪の法定刑は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑です(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律4条)。
2 援助交際で逮捕された後の流れ
援助交際で逮捕されると、一般的に48時間以内に検察官に身柄を送られます。
引き続いて「勾留」が必要と判断されると、送検後24時間以内に勾留決定が行われて、警察の留置場内に身柄が拘束され続けます。
勾留されている期間は、警察官から厳しい取り調べを受けることになります。
勾留期間は原則として10日ですが、それでは捜査が終了しない場合、さらに10日間延長することができるので、最大20日間勾留される可能性があります。
勾留期間が満期になると、検察官が起訴するか不起訴処分にするかを決定します。勾留されなかった場合には、捜査が終了した時点で検察官が起訴か不起訴かを決めます。
起訴されると、刑事裁判となって裁かれますが、いったん起訴されると、ほとんどの事案で有罪判決を受けることとなります。
不起訴になったら裁判にならないので、有罪にはならず、前科もつきません。
3 援助交際で逮捕された場合の対処方法
援助交際で逮捕されてしまったときには「不起訴処分」を狙うことが重要です。
不起訴になれば、刑事裁判にもならず、前科がつく可能性もありませんし、不起訴処分が決定した時点ですぐに身柄を解放してもらうこともできるためです。
不起訴処分を獲得するためには、被害者との示談交渉を進めることや、被疑者の反省をしっかりと示すこと、前科がないこと(初犯であること)、犯行態様が悪質でないと示すことなどが重要です。
また、相手が18歳未満であることを本当に知らず、知らなかったとしてもやむを得ない事情がある場合には、故意を否定して児童買春罪の成立を争うことも可能です。その場合には、勾留中に不利な調書を取られないように否認を貫かなければならないため、適切な対処方法についての知識が必要となります。
援助交際で逮捕されたときに正しく対応するためには、法的な知識を持った弁護士によるサポートが必須です。
当事務所では、援助交際の被疑者被告人の刑事弁護に積極的に取り組んでいますので、身内の方が援助交際で逮捕された場合などには、お早めにご相談下さい。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。