児童虐待防止法で逮捕されたときの刑罰と対処法 | 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

児童虐待防止法で逮捕されたときの刑罰と対処法

最近、幼児虐待に関するニュースが増えましたよね。
2018年6月には、東京都目黒区で5歳の女の子が幼児虐待によって死亡した事件が発覚しました。
女の子が遺した手書きの手紙が、あまりにも凄惨で悲痛なことから、世間に大きな波紋を広げました。
今後、子供に対する虐待は一層厳しく取り締まられることになるでしょう。
では、児童虐待で逮捕されると、一体どのような刑罰が課されるのでしょうか。
今回は児童虐待防止法と、その罪や刑罰について解説します。

1.児童虐待防止法とは?

児童虐待防止法は、18歳未満の人間に対し、虐待を禁じている法律です。
正式には「児童虐待の防止等に関する法律」といい、2000年(平成12年)に成立し、2004年に改正が行われました。
この児童虐待防止法のなかで定義している「虐待」とは、第二条に規定されています。

児童虐待の防止等に関する法律 第二条 児童虐待の定義第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。第十六条において同じ。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

整理すると、以下のような行動が虐待に当たります。

 

1.身体的虐待…児童に対して暴行すること
2.性的虐待…児童とわいせつな行為をすること、もしくはわいせつな行為をさせること(性的虐待)
3.ネグレクト…健康な成長を妨げるような減食、食事を与えずに長時間放置すること、同居人が児童に対して虐待を加えていても放置すること(ネグレクト)
4.心理的虐待…児童に対する暴言や拒絶的な対応、配偶者などへの暴力や暴言(DV)を見せること

 

これを見る限り、古くから日本に伝わる「躾(しつけ)」との線引きがやや難しいと感じる方も多いでしょう。
たしかに、昔は体罰や減食といった対応が、家庭内の躾として行われた時期がありました。
また、子供の行動は親の権限のもとに厳しく規制されるのも当たり前だったかと思います。

しかし、冒頭でも述べたように、子供に対する過度な体罰、制裁がその命を奪ってしまう事件が多発し、社会問題化しました。
実際に児童相談所における相談処理件数は、統計を取り始めた1990年の1101件から、1999年には11631件と10倍にまで膨れ上がり、子供の虐待に対応する法律の整備が叫ばれたのです。
児童虐待防止法は、このように多発する虐待から、子供を救うために作られた法律と言えます。

2.児童虐待は具体的にどんな罪になるのか?

では具体的にどんな罪に問われるのか、解説します。児童虐待は主に以下のような罪に問われる可能性があります。

 

・身体的虐待…刑法上の傷害罪や暴行罪
・性的虐待…強制わいせつ罪、強姦罪
・ネグレクト…監禁罪、保護責任者遺棄罪
・心理的虐待…脅迫罪、傷害罪

 

これらはあくまでも「可能性」であって、必ず該当するわけではありません。
しかし、親が躾だと思っていても、度が過ぎてしまえばこういった罪に該当する可能性があるのです。
また、これら刑法上の罪のほかに、児童虐待防止法上の罰則として「1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金」が課される可能性もあります。

“児童虐待の防止等に関する法律 第十七条(罰則)

第十二条の四第一項の規定による命令(同条第二項の規定により同条第一項の規定による命令に係る期間が更新された場合における当該命令を含む。)に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。”

児童虐待は、刑法と児童虐待防止法の2つによって裁かれる行為だということを覚えておきましょう。

 

3.児童虐待で逮捕されたあとの流れ

 

万が一、児童虐待で逮捕されると、通常の犯罪と同じよう警察からの取り調べや検察への送検、勾留(身柄の拘束)が発生します。
基本的には、以下のような流れを辿ることになるでしょう。

 

・警察による取り調べ(最大48時間)
・検察への送検(最大24時間)
・勾留(検察官の判断によって原則10日間、最大20日まで延長)

 

ざっくり計算すると、最大で23日間の身柄拘束が発生するのです。
3週間以上も世間と隔絶されるわけですから、生活への影響は避けられません。
また、起訴されて有罪判決がでれば、99%の確率で有罪が確定します。
ここまでくると、実際の懲役刑、罰金などが発生します。
さらに、当然のことながら前科もついてしまいます。

社会問題化している児童虐待で有罪判決を受けると、実名報道によって社会的な信用を失うことになりかねません。
そのため、微罪処分や不起訴を目指した対応が必要になるのです。
家庭内の問題とは言え、児童虐待は重大な罪に問われる可能性があります。
そのため、逮捕の可能性が発生した時点で、すぐに弁護士に相談すべきです。

 

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このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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