置き引きした場合の窃盗罪と落とし物などの遺失物等横領罪(遺失物横領罪・占有離脱物横領罪)の違いとは? | 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

置き引きした場合の窃盗罪と落とし物などの遺失物等横領罪(遺失物横領罪・占有離脱物横領罪)の違いとは?

置き引きをしたとき、どのような犯罪が成立するかご存知でしょうか?

 

・ベンチに置き忘れているカバンを持ち去った
・駅前に放置されている自転車を乗り回した
・スポーツジムに落ちていた財布を持ち去った

 

このような事例は、いわゆる置き引きにあたります。
一般的には「遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)」が成立すると思われていますが、ときには「窃盗罪」が成立して厳しい刑罰を適用される可能性もあり、要注意です。
今回は、窃盗罪と遺失物等横領罪の違いをご説明します。

1.遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)とは

遺失物等横領罪とは、持ち主の「占有」を離れたものを持ち去るなどして自分のものにしてしまう犯罪です。
要件としては「占有されてないもの」を「自分のものにしてしまう」ことが必要です。
刑罰は、1年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金または科料です。
(科料とは1万円未満の金銭支払いの刑罰です。1万円以上になると罰金刑となります)

 

2.遺失物横領より重い窃盗罪とは

窃盗罪は、他人が占有している財物をこっそり盗って自分のものにしてしまう犯罪です。
要件としては「他人が占有しているもの」を「こっそり盗る」ことによって「自分のものにする」ことが必要です。
刑罰は、50万円以下の罰金または10年以下の懲役刑となり、遺失物横領罪よりかなり重くなります。

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・公訴時効の長さ

公訴時効とは、犯罪が終了したときから検察官が公訴を提起できなくなるまでの期限をいいます。
時効完成後は、罪に問われることはありません。

この公訴時効は、刑事訴訟法第250条に規定があります。

刑事訴訟法第250条2項

時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一 死刑に当たる罪については二十五年

二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年

三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年

四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年

五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年

六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

七 拘留又は科料に当たる罪については一年

50万円以下の罰金または10年以下の懲役刑である窃盗罪の公訴時効は4号より7年と長期である一方、遺失物横領罪の公訴時効は6号より3年となります。

3.窃盗罪と遺失物等横領罪の違い

窃盗罪と遺失物横領の違いは、対象の物を「他人が占有しているかどうか」です。
他人が占有しているものをとったら窃盗罪となりますし、占有していなかったら遺失物横領罪となります。
この違いは、行為者からはとてもわかりにくいので注意が必要です。

 

たとえばベンチにカバンが置いてある場合、まだ所有者が近くにいてトイレなどに行っているだけだったら「占有がある」とみなされます。
参照:平成16(あ)882 窃盗被告事件

 

自転車が置いてある場合にも、所有者が短時間そこに置いているだけならば「占有がある」と考えられます。
参照:昭和36(う)1112窃盗被告事件

 

また、スポーツジムの誰かの忘れ物は、そのジムの管理下にあります。
つまりその財布を持ち去ることは、所有者でなく、ジムの「占有がある」とみなされるのです。
参照:昭和61(あ)1514 窃盗被告事件

 

そこで、そういったケースでカバンや自転車、財布を盗ると、遺失物等横領罪ではなく重い窃盗罪が成立して、厳しく処罰されてしまう可能性があります。
自分では、軽い気持ちで「置き引き」をしただけと思っていても、窃盗犯として扱われてしまいます。

 

4.窃盗や遺失物横領で逮捕されたら弁護士までご相談ください

窃盗であっても遺失物横領であっても、犯罪行為ですから、見つかったら逮捕される可能性が高いです。
これらの犯罪で逮捕されたら、すぐに弁護士に刑事弁護をご依頼下さい。
勾留されないように検察官と交渉をしたり被害者と示談を進めたりする必要があります。
勾留されても不起訴にしてもらえるように弁護活動を進めなければなりません。

 

たとえ罰金刑でも一生消えない前科がつくので、置き引きを軽く考えるべきではありません。
ご自身やご家族が逮捕されたら、早急に弁護士までご相談ください。

 

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このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)
    弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。
    大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。
    お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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