ネットオークション(ヤフオクなど)で詐欺罪に問われた!逮捕後の流れや注意点を解説
インターネットオークションは、多くの人にとってごく普通の買い物の手段になりました。
メジャーなところではメルカリやヤフオクでしょうか。これらは、通常の買い物感覚で使う人が多いですよね。しかし、対面で取引が行われないことから、詐欺罪が発生しがちという弱点があります。さらに、自分が意識しないうちに、詐欺罪に問われるような行為をしてしまう可能性もあるのです。
万が一ネットークションで詐欺罪に問われたとしたら、その後はどう対処すべきなのでしょうか。今回はネットオークション詐欺について解説します。
1 ネットオークション詐欺とは?
近年、インターネットの普及とさまざまなサービスの登場で、詐欺に関する問題が増えています。このような背景の中、インターネットオークション絡みの詐欺、つまり「ネットオークション詐欺」が問題になっています。
では、ネットオークション詐欺とは、どのようなケースを指すのでしょうか。具体的に整理してみます。
○ネットオークション詐欺の例
・商品を購入後、商品が届かない ・商品を出品して落札され、発送を行ったにもかかわらず入金がない ・出品者が送料負担する約束だったにもかかわらず、着払いで届いた ・落札した商品とは全く別のものが届いた ・新品を落札して購入したにもかかわらず、届いた品は明らかに中古品だった ・そもそも所持していない品を出品し、代金を受け取って放置する |
このように、通常の詐欺罪と同じように「他人をあざむき(だまし)て、お金や商品を提供させる行為」が含まれる場合は、ネットオークション詐欺に該当する可能性が高いです。これは、刑法第246条にある詐欺の規定が根拠になっています。
刑法第246条 (詐欺) 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。 |
インターネットは、仮想の世界です。物理的な商品が目の前になくても、画像やテキストデータで「ある」と認識させれば売買が成立してしまいます。誤解を恐れずに言えば、詐欺を働きやすい環境なのです。また、詐欺の疑いをかけられやすい環境であるともいえます。
2 ネットオークション詐欺で逮捕されたとしたら…?
このように、詐欺が横行しやすい環境であるインターネットの世界では、一般の人が詐欺罪に問われる可能性もゼロではありません。では、ネットオークションで詐欺罪に問われるとどうなるのでしょうか。
詐欺罪は刑法犯ですから、悪質な場合は逮捕されます。逮捕されると、一般的な刑事事件と同じように、次のような流れを辿ります。
1.警察による最大48時間の取り調べ 2.検察への送検(最大24時間) 3.原則10日間、最大で20日間の勾留(身柄拘束) |
1から3を合計すると、48時間+24時間+最大20日です。つまり逮捕後は、23日もの間、世間と隔離された環境に置かれる可能性があるのです。また、この期間に何の手も打たずにいると、最悪の場合は起訴処分となり、99%の確率で有罪が確定してしまいます。そのため、23日間の間に釈放や不起訴処分を勝ち取るための活動をしなくてはなりません。
しかし、本人は物理的に身柄を拘束されていて、行動のしようがありませんよね。そこで弁護士の力が必要になるのです。
3 弁償や示談…起訴を回避するには弁護士へ依頼を
刑事事件では、起訴を回避するまでが勝負といえます。既に述べたように、日本の刑事事件は、起訴されると99%が有罪になるからです。
ネットオークション詐欺では、お金や商品のように具体的な財物が絡みます。そのため、これらを弁償し、被害者との示談を成立させれば不起訴の可能性は高まるでしょう。ただし、逮捕された本人は示談も弁償もできないため、必然的に代理人を立てることになります。このとき、弁護士にその役を依頼することで、スムーズに事が運びやすくなるのです。
また、逮捕後は外部との接触が一切禁止されるため、知人や家族、恋人への連絡も弁護士を通じて行うことになります。
弁護士は、逮捕後の連絡や交渉などを一手に引き受け、事態を解決できる唯一の味方です。
ネットオークション詐欺で逮捕される可能性があるならば、一刻も早い相談をおすすめします。
このコラムの監修者
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田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。