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痴漢で逮捕された場合

痴漢と聞けば、真っ先に思い浮かぶのが、満員電車での痴漢行為です。女性専用車両が増えてきた昨今においても、痴漢行為が減少してはいるものの、絶えることはありません。
被害者にとっては不愉快そのものである上に、単に体が触れただけなのに痴漢と間違えられた男性にとっては、最悪の場合、有罪になる場合も考えられます。女性にとっては当然、間違われた男性にとっても大変迷惑な犯罪です。
このような痴漢行為に関して、以下の事例を通して、犯罪としての側面、逮捕後の流れ、そして、えん罪を主張する場合について説明します。
 

事例
ある夏の暑い日、中年男性Aは、朝、いつものように、満員の通勤電車に乗っていた。暑い日が続いていたせいか、隣に立った22歳の若い女性Bは露出の高い服を着ていた。AはそのBの胸元が気になり、チラチラと何度か目がいった。
電車の揺れもいつもより激しく、時折、Bの体に知らずもとあたってしまった。そして、電車が停車ブレーキをかけたと同時に、Bの「キャーッ」という悲鳴が車内に響きわたり、電車が止まるやいなや、AはBに手首を掴まれ、大声で「この人痴漢です」とBは叫んだ。Aは、まったく身に覚えがないにもかかわらず、次の駅で下車させられて、駅員に連れていかれた。Aは、右手がつり革、左手にはカバンを握っていてBの体をさわることができないと主張したが、Bだけでなく、駅員も取り合ってくれない。
実は、痴漢行為をしていたのはAの反対側の男性Cであり、A側から手を伸ばしてBの臀部を2回ほど触っていた。
Aは、これからどうなるのか?

【犯罪としての痴漢行為】

痴漢行為は、刑法犯である「強制わいせつ罪」にあたる場合と、各都道府県が定めた「迷惑防止条例違反」の場合があります。
 

[強制わいせつ罪(刑法176条)]

「強制わいせつ」とは、暴行や脅迫といった手段を用いて、相手の抵抗が著しく困難な状況のもとで、わいせつな行為を行うことをいいます。被害者の下着の中まで手を入れたり、長時間にわたり下半身を触り続ける等、行為が悪質な場合に、本罪に問われる可能性があります。
個人の性的自由を守ることを目的としています。
法定刑は、6か月以上10年未満の懲役刑です。
13歳未満の児童が相手であった場合には、手段として暴行や脅迫を用いなくても、強制わいせつ罪は成立します。
被害者が13歳以上の場合には、行為者が性欲を刺激興奮させ又は満足させるという性的意図のもと暴行又は脅迫を開始した時点、13歳未満の場合には、わいせつな行為を開始した時点で、実行の着手があったとされ、強制わいせつ未遂罪が成立し、処罰の対象となります。
上記条例においては、Cは、Bに対し、暴行や脅迫といった手段を用いて、Bの抵抗が著しく困難な状況のもとで、わいせつな行為を行っていたわけではないので、強制わいせつ罪は、成立しません。もちろん、見ていただけ、電車の揺れで身体が接触しただけのAにも同罪は成立しません。
 

[条例違反]

各都道府県の条例によって、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例、いわゆる「迷惑防止条例違反」で逮捕される場合もあります。
禁止されている行為は、人に恥ずかしい思いをさせたり、人を不安にさせる方法で、公共の場所又は公共の乗り物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れることです。
大阪府迷惑防止条例の場合、法定刑は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
条例違反の場合には、未遂犯処罰規定はありません。

上記条例においては、Cは、電車という公共の乗り物において、Bの臀部を触ってBを不安にさせたことから、迷惑防止条例違反にあたります。
そして、ここでも、Aに本条例違反は認められません。
 

【逮捕までの流れ】

事前に情報があれば、痴漢Gメンが電車に乗り込んで、現行犯逮捕する場合があります。
しかし、通常は、電車内で痴漢行為の嫌疑をかけられて、被害者等の通報により駅員室へ連れていかれ、その後、到着した警察官に警察署まで連行されて、気づいたら、被害者とは隔離されて取調室で刑事から厳しい取調べを受けていた、というのが一般的なパターンです。被疑者自身、自分はいつ逮捕されたのかわからないのが正直なところではないでしょうか。
この場合、私人による現行犯逮捕がなされたと理解されます。今まさに犯罪が行われている瞬間や、その直後であれば、その被疑者を一般人でも逮捕することは可能です。この逮捕は緊急を要するため、逮捕状はいりません。したがって、被害者自ら、あるいは、被害者や目撃者の証言等を聞いた駅員らによって現行犯逮捕されたと考えます。

上記事例において、Aは、私人であるBに現行犯逮捕されたといえます(結果的には誤認逮捕ですが)。

では、えん罪となるA、逮捕された後、どのような手続がとられていくのでしょうか?
 

【逮捕後の流れ】

[捜査・取調べ]

まず、逮捕された後、最長48時間にわたり警察に身柄を拘束され、警察官の取調べを受けます。
この後、警察は原則として事件を検察に送致します。事件が検察に送致された後、最長24時間にわたる身柄拘束のもと、検察官の取調べを受けます。検察官がさらなる身柄拘束が必要と判断すると、裁判官の許可を得て、10日から20日間の勾留という身柄拘束が続きます。この間、検察は起訴するか、あるいは不起訴にするかの判断をします。
実際の痴漢事件では、10日間の勾留を受けるケースはあまり多くありません。
また、被疑者が痴漢を全面的に認めて逃亡や罪証隠滅の恐れがなく、身元もはっきりしているような場合には勾留請求されず、釈放されることもあります。
しかし、被疑者がえん罪を主張し、容疑を否定する場合には、さらなる取調べが必要であるとして、勾留請求、さらにはその延長がなされる傾向にあります。
 

[起訴・裁判・判決]

起訴には略式起訴と公判請求があります。
「略式起訴」は、100万円以下の罰金・科料に相当する軽微な犯罪であること、被疑者に異議がないことが要件です。条例違反について略式起訴された場合は、検察庁で罰金を納付すれば、即時に釈放されます。なお、略式手続きは前科として記録に残ります。
「公判請求」された場合は、保釈制度により身柄拘束から解放されることもありますが、そのためには保証金が必要です。
その後、公判手続きを経て判決の言い渡しがなされます。日本の刑事手続では起訴されると99,9%有罪となります。
 

【弁護士の役割】

[痴漢行為をしてしまった場合]

(身柄拘束の回避)

痴漢行為の事実について、警察から会社や学校へ直接連絡がいくことはほとんどありません。通常は、逮捕後の身柄拘束が長引くことで無断欠勤・欠席が続き、その結果、事情が知れるところとなり、解雇・退学へとつながっていきます。
そこで、まずは、身柄拘束の回避に向けた活動を行います。弁護士による意見書(逃亡、証拠隠滅のおそれがないこと)、身元引受書、陳述書、反省文などを提出します。これらが認められた場合には、逮捕されず、また、逮捕・勾留されていても身柄解放され、以降、在宅事件として捜査されます。
したがって、できれば逮捕されるよりも前に弁護士に依頼するのが理想です。
身柄解放により、平常通り会社や学校に通い、日常生活を送ることができます。しかし、そのことに安心して漫然と日常を送っていると、在宅であっても起訴さ
れれば、ほとんどの場合有罪となってしまいます。これでは結局、失業や退学に追い込まれかねません。
 

(示談交渉)

そこで、次に、不起訴処分に向けた活動が重要となってきます。
具体的には示談交渉です。
被害者との示談交渉が成立し被害者に許してもらえば、処罰する必要性も減るため、不起訴処分に付される可能性が高まります。
ただし、被害者からは印象の悪い加害者本人が、円滑に交渉を進めるということは通常考えられず、やはり交渉のプロである弁護士に依頼するのが賢明です。示談交渉では、弁護士が被害感情を緩和しつつ、適切な金額・条件での成立を目指します。
示談は不起訴処分に向けた活動ですから、勾留が続く場合でもその必要性は変わりません。
 

[痴漢行為はしていない場合]

痴漢行為を疑われた場合、無罪であるならば、逃げ出さずに、捜査に協力して、否認を貫くことです。
突然のことに混乱して線路上を逃走した場合は「威力業務妨害罪」、取調中に阻止を遮って逃げた場合は「公務執行妨害罪」が成立するなど、逃走行為は新たな問題を引き起こしかねない上に、その後の手続きにおいて「逃亡のおそれ」というレッテルがついて回り、身柄拘束の継続等、著しい不利益を招きます。
まずは、落ち着いて対処することが重要です。
 

(まずは弁護士に依頼)

できるだけ早い時期に弁護士に依頼することをお勧めします。
依頼を受けた弁護士は被疑者との面会(接見交通)を通じて、今後の刑事手続きの見通しを述べたうえで、黙秘権の行使及びその効果について詳しく説明します。
そして、頻繁に接見することで、精神的なサポートを行うだけではなく、取調べの録画申し出る等、違法・不当な取り調べがなされていないかを監視します。
また、身柄を拘束された被疑者に代わって、目撃者等の証拠収集に努め、無罪獲得へ尽力します。
身柄解放に向けた活動としては、検察官には意見書を提出するなどして勾留請求しないよう働きかけ、裁判官による勾留決定に対しては準抗告や抗告を申し立て、あるいは勾留の必要がなくなったとして勾留取り消しを申し立てます。
さらに、会社や学校に対して事情を説明し、少なくとも判決が出るまでは退職や退学を迫ることのないよう交渉します。
 

【最後に】

実際に痴漢行為を行った場合にも、そうではない場合にも、逮捕されたときは少しでも早く手を打たないと、証拠の散逸、長期にわたる身柄拘束、失業・退学の危機等、不利益が増すばかりです。
突然の逮捕に気が動転するのは当然ですが、まずは、逃げずに落ち着くことです。
そして、一刻も早く家族に連絡すると同時に、弁護士に依頼することをおすすめします。
上記の事例で、Aは、突然逮捕されましたが、逃げずに駅員に従った点は、賢明な態度でした。あとは、弁護士に依頼することで、駅員室で『右手がつり革、左手にはカバンを握っていてBの体をさわることができない』と主張した事実の確認、逮捕直後に鑑識採証テープを使用したならばその結果の開示要求、さらには目撃者等の裏付け証拠の採取など、無罪を立証していくことになります。

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