大阪市では粗大ゴミを持って帰ると窃盗罪など違法になる? - 刑事事件に強い大阪の弁護士法人ロイヤーズハイ

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大阪市では粗大ゴミを持って帰ると窃盗罪など違法になる?

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粗大ごみの日の前後になると、街角にまだ使えるような家具が捨てられているのを見かけることがあります。特にソファなどは、まだまだ使えそうなものが多いですよね。仮にこれらを持ち帰ってしまった場合、窃盗罪にあたるのでしょうか?「ゴミなのだから大丈夫」と安易に考えてしまうのは危険かもしれませんよ。

 

1 ゴミ置き場から家具などの粗大ゴミを拾う、持ち帰るのは窃盗罪?

ソファに限らず、棚や食器類など、粗大ごみの日に並ぶ物品を持ち帰るとどうなるのでしょうか。結論から言うと「窃盗罪」には該当しません。したがって、逮捕される可能性は、ほぼゼロといえます。

なぜ窃盗罪が成立しないかというと、ごみは所有権を放棄していると考えられるためです。
窃盗罪が成立するためには、次のような構成要件が必要です。

・(盗んだ対象が)他人の占有する財物
・不法領得の意思がある
・窃取する

 

注目すべきは「(盗んだ対象が)他人の占有する財物」という点です。これは誰かが所持や管理を行っている財物であることが前提です。
一方、持ち主が所有権を放棄したごみは、誰の所有物でもなくなるわけですね。これを専門的な言葉で「無主物」と呼びます。

しかし、窃盗罪にはあたらないというだけであって、別の罪には該当する可能性があります。

 

⑴住居侵入罪

仮に捨ててあるソファを手に入れるため、自分が住んでいないマンションの敷地内に無断で立ち入ったとしましょう。
この場合は、刑法130条の住居侵入罪が適用される可能性があります。

 

⑵軽犯罪法違反

無人のゴミ捨て場に立ち入った場合、「潜伏の罪」などに問われる可能性があります。

 

⑶自治体が定める条例違反

自治体によっては、資源ごみを有価物や自治財源とみなし、これを持ち去ることを禁じていることがあります。
ただし、ソファのような家具を持ち去り禁止とするかは、各自治体の判断に委ねられるでしょう。
例として、下関市の条例があります。

下関市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例
( 収集又は運搬の禁止等 )
第10条 市又は市から収集又は運搬の委託を受けた者以外の者は前条第2項 の規定により適正にごみステーションに排出された家庭系一般廃棄物を収集し又は運搬してはならない。

 

2 家具の持ち去りも犯罪になる可能性あり?

このように、一般的には「資源ごみ」の持ち去りが犯罪となるケースが大半です。
リサイクル可能な資源は、年々価格が上昇しています。そのため、資源ごみだけを大量に持ち去る業者などが発生しました。
このような持ち去り行為は、自治体にとって経済的な損失が大きいと認識され、禁止しているわけです。

したがって、資源ごみならば窃盗罪と判断される可能性が高くなります。
また、資源ごみ以外の家具や家電でも、次のようなケースでは何らかの罪に問われる可能性があるため、注意が必要です。

・粗大ごみとして回収した家具や家電を、フリーマーケット形式で一般市民にゆずっている(打っている)とき
・資源ごみだけでなく、全てのごみを自治体の所有物とする条例が施行されているとき

これはあくまでも可能性の話であり、絶対というわけではありません。
資源ごみ以外の持ち去りが問題になることは少ないものの、販売目的で大量に持ち去るといったことは避けるべきでしょう。

 

3 ごみの持ち去りで不安ならば弁護士に相談を

ソファや棚など、家具としてまだ使えるものは持ち去っても問題ないことが多いです。
しかし、自治体によっては禁止している可能性もあるため、少しでも不安があるのなら弁護士に意見を聞いてみましょう。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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