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裁判員裁判の対象となる事件

2019年5月21日、裁判員制度はその開始から10年をむかえます。これまで裁判員・補充裁判員を経験された方は、8万人に及ぶといいます。次に裁判員に選任されるのは、あなたかもしれません。10年をむかえるにあたって、裁判員裁判がどのような制度なのか、具体的に振り返ってみようと思います。

1.裁判員制度とは

2004年5月21日、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(いわゆる「裁判員法」)が成立し、2009年5月21日から、裁判員法に基づき、裁判員制度が始まりました。裁判員制度では、国民が刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合には、量刑を含め、どのような刑にするかを、裁判官とともに判断することになります。裁判員裁判の対象となる事件では、原則として裁判官3名・裁判員6名の計9名で審理が進められます。

最高裁判所の、裁判員裁判実施状況の検証報告書によると、毎年約1000件の事件が裁判員制度の対象となっています。2019年2月末時点で、総計すると11、948人の被告人が裁判員裁判の対象とされ、その中で有罪と判断されたのは11、602人でした。一方で、無罪と判断されたのは、101人です。
裁判員裁判の結果に不服であるとして控訴したのは4、252人で、約36パーセントの確率で控訴されていることになります。公訴され事件が控訴審に継続すると、事件の審理にあたるのは裁判官のみになります。

2.裁判員の選任

裁判員はどのような手続きを経て選ばれるのでしょうか。

①裁判員候補者名簿の作成

裁判員になる資格があるのは、20歳以上の、衆議院議員選挙の有権者です。毎年1回、各市町村の選挙管理委員会が「くじ」で裁判員候補者になる方を選びます。そして、地方裁判所において、この「くじ」で選ばれた方の名簿に基づき、翌年の裁判員候補者名簿を作成します。
2014年以降は、毎年、23万人程度の方が裁判員候補者名簿に記載されています。

②候補者への通知

候補者名簿に載った方には、11月頃に、名簿に載った旨のお知らせが裁判所から届きます。名簿に載った場合、翌年1年間は、裁判員に選任される可能性があるのです。
この通知には、「調査票」が同封されており、客観的に裁判員になれない事由があり、自体が認められるか(例:自衛官であるなど就職禁止事由に該当する、70歳以上である、学生である、等)を調査されます。
ここで辞退が認められれば、裁判員候補者として裁判所に呼ばれることはありません。毎年、4万人前後の方の辞退が認められているようです。

③裁判員候補者の選任

裁判員裁判の対象事件が裁判所に係属すると、事件ごとに裁判員候補者名簿の中から具体的な「裁判員候補者」をくじで選びます。候補者に選ばれた方には、「裁判員等選任手続期日」への呼出状が送付されます。
呼出状には「質問票」が同封されており、病気や仕事などの理由で裁判員となることが困難な方は、辞退を希望する旨を書き込み返送します。
呼出状が送られるのは毎年9万人前後(事件ごとでは約70人)で、質問票により辞退が認められるのは毎年4万人前後のようです。

④選任手続期日

この期日は非公開で行われます。裁判員候補者の方は、指定された日時に裁判所に出向くことになります。期日では、検察官・弁護士も同席します。ここでも、辞退の希望の有無や事件との関係性の有無などが質問されます。その上で、裁判官が、裁判員になれない事情のある候補者はいるか、辞退を希望している方がいる場合には辞退が認められるかどうかの判断を行います。
その結果、裁判員になれない方・辞退が認められた方が除かれた候補者名後から、「くじ」で最終的に裁判人になる方を選びます。裁判員は、事件ごとに6人選ばれます。(必要な場合には、補充裁判員も選任される)。

調査票・質問票・選任手続期日当日を含め、辞退が認められる候補者の方は、年間で約8万人おられます。平成30年、裁判員として選任された方は5905人でした(補充裁判員として選任された方は1989人)。

3.裁判員裁判の対象となる事件

裁判員裁判の対象事件は、一定程度の重大事件に限定されています。裁判員法2条1項には、裁判員裁判の対象事件について以下のように規定しています。

①死刑又は無期の懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件

②法定合議事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの

法定合議事件とは、裁判所法上、合議体(裁判官3名)で取り扱わなければならないとされている事件をいいます。法定合議事件は、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪にかかる事件です。
裁判員裁判の対象となる具体的な事件は、殺人、傷害致死、強盗致死傷、強制性交等致死傷、現住建造物等放火、通貨偽造・同行使、身代金目的誘拐、等です。

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