状況別の対処法
資格に影響が出ないようにしてほしい
前科があると制限をうける職業や資格
罰金を払えば罪に問われないということではありませんし、前科がつくと下記の職業にはつけなくなるので、その点は注意が必要です。
前科があると制限を受けてしまう職業・資格
(禁錮刑以上の前科)
- 国家公務員、地方公務員、自衛隊員、保育士、社会福祉士
- 介護士、公認会計士、行政書士、司法書士、不動産鑑定士
- 警備員、学校の教員、裁判官、検察官、弁護士、調停委員
- 中央競馬の騎手など
前科があると制限される場合がある職業・資格(罰金刑以上の前科)
- 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、調理師、柔道整復師など
資格に影響が出ないように処理するなら示談による解決を目指す
風俗店や、風俗嬢とのトラブルが犯罪行為にあたる場合、被害届が出される前にできることとして、示談交渉をすること自体は可能です。
被害者に対して、謝罪と被害弁償をした上で、被害者との間で事件を解決するという内容の合意をすること。示談をすれば、被害が一定程度回復されたことを示すことができる、重要な弁護活動の1つ。
しかし、本人で示談交渉をするとなると、様々なリスクがあります。本来示談の相手方となる被害者の方との間に風俗店が立ち、威圧的な言動をされたり高額な示談金を要求され、萎縮してしまい法外な示談金条件をのまざるをえなくなったり、そもそも被害者の方との間で成立した示談になるのかという不安があったり。
示談が成立しても被害届の提出をしない旨の内容になるのかという問題が考えられます。
また示談は金銭による解決となるので、相手の要求金額も大きくなることが予想されます。
風俗トラブルで被害届取り下げに必要な示談金額は?
示談金額は犯行の内容に加えて、被害者の精神的な苦痛や、加害者への処罰的な感情の程度が影響するため、相場というものは厳密には存在しませんが、同様のケースを見た場合、10万円050万円前後になることが多い傾向にあります。
前科がついた場合のデメリット
前科があるからといって、就職や転職ができなくなるわけではありません。ただ、法律上の制限はなくても、就職活動が現実的に難しくなることが考えられます。履歴書の書式に「賞罰欄」がある場合、「罰」とは確定した有罪判決であると判断した裁判例があり、この裁判例に従うなら「賞罰欄」に前科を記載しなければならないからです。
前科は履歴書記載することになる
賞罰欄がある場合には、基本的には記載しないといけません。もし賞罰欄に記載をせず、後日前科が発覚した場合、勤務先から解雇されるなどの労働トラブルに発展するおそれがあります。
前科がつくと海外旅行に行けなくなるのか
前科があってもパスポートの取得を制限されることはないので、海外旅行に行けなくなるわけではありません。ただし、前科の内容によっては、渡航先の国からビザの発給を拒否されたり、ビザが発給されても入国審査で入国を拒否されたりすることもあります。
示談交渉は弁護士なしでも可能?
加害者側が被害者の連絡先を知っていたり、被害者が示談に応じる意向であったりする場合は、弁護士を介さない示談交渉は不可能ではありません。
ただし、示談条件がまとまらず起訴までに成立に至らない、示談金の相場がわからないなどのリスクも想定されますので、実務的には弁護士に依頼するケースが一般的であり、弁護士を介した結果、成立することがほとんどです。
刑事事件は弁護士に相談
どの事件であっても、最初は示談交渉で解決できるように弁護士は計らいます。弁護士を介さずに示談交渉を行うと、さまざまなトラブルに発展する恐れもありますので、個々の事情に関しては、弁護士にご相談ください。