状況別の対処法
示談したい
盗撮や同意なしの本番行為など、風俗トラブルで逮捕される可能性のある行為は様々です。盗撮をすれば軽犯罪法違反で、同意なしの本番行為は強制性交等罪で、刑事事件になるおそれがあります。
刑事事件化のリスク軽減
風俗トラブルは密室で起きることがほとんどですから、風俗嬢や風俗店側が警察に通報したり、被害届を出すなどして初めて警察が捜査に動き出すものです。そのため、早期に示談を成立させ、示談書の中に「刑事告訴・被害届の提出をしない」という趣旨の条項を加えることができれば、刑事事件化するリスクを軽減させることができます。
確かに、示談書を締結しても風俗嬢が被害届を提出することを100パーセント止めることは不可能です。しかし、法律の専門家である弁護士が間に入って作成した示談書に反する行為をするには勇気がいるものです。ご自身で相手方と交渉をするより、弁護士に依頼をした方が、問題の解決には近道です。
事件化した後でも示談は必要
既に警察が捜査に動いている場合や、逮捕・勾留されている場合でも、検察官・裁判官が事件の処分を決めるにあたって、被害者との示談は重要な考慮要素になります。被害者と取り交わした示談書の中で「宥恕する(許す)」との文言があれば、被害者の処罰感情が軽減されている証拠です。身体拘束からの解放や不起訴処分、起訴後の情状面を考慮する上で、重要な要素になるのです。
示談の具体的な中身
具体的に示談をする場合、どのような内容を盛り込めば良いのでしょうか。
示談の大きな目的は、被害者に「許してもらう」ことです。そのため、示談は多くの場合一定額の金銭を支払うかわりに示談書に宥恕文言を記載することになります。その他にも、示談の内容として定めるべき事項は複数あります。
1.示談の対象を明確にする
示談の対象が明確でなければ、何について示談したのか明らかにされず、示談書の締結後に再び金銭を要求されたり、警察に被害届を出されたりと、事件の解決に結びつかないかもしれません。
また、刑事事件になった際、検察官に「今問題になっている事件についての示談書です」と言って示談書を提出しても、示談の対象となる行為が明確になっていなければ、本当に「この事件についての示談書」なのか、示談の当事者以外には分からないのですから、せっかくの示談が無意味になってしまうおそれがあります。
2.示談金の額・支払方法を明確にする
事件解決のためにいくら支払うのか、明確にしなければ後々更なる金銭の支払いを求められるおそれがあります。また、支払い方法も定めなければ、金銭の支払で揉めることになるかもしれません。
3.被害届の提出や告訴をしないことを定める
早期の示談の目的は、刑事事件化を防止することにあります。そのため、風俗嬢や風俗店側が被害届の提出や告訴をしないよう、示談書に明確に定めることが重要です。
また、既に被害届が提出されている場合には、これを取り下げる旨の条項を定めることで、被害者の処罰感情が軽減されていることを明らかにすることができます。
4.示談の相手方に注意
示談の当事者は示談書に署名・押印するものです。示談書の中身が整っていても、相手方を間違えてしまえば元も子もありません。
風俗トラブルの被害者は、何といっても当事者となった風俗嬢です。相手方の風俗嬢に、きちんと示談書にサインさせることが不可欠です。また、サービスを受けるための契約は風俗店との間で締結したはずですから、風俗嬢が勤める風俗店も、示談の当事者に加えることが必要です。
これらの他にも、具体的な事案によって示談書に定める事項は様々です。何が必要で不可欠なものか、ご自身で判断するのは難しいはずです。また、示談の締結は時間との勝負でもあります。示談の方法を熟知した弁護士に、一刻も早くご相談ください。