状況別の対処法
無罪を証明してほしい
やってもいない無罪を証明することを悪魔の証明とも言われますが、一般的に、訴訟において、「~していないこと」、「~が存在しないこと」といった事実の不存在の立証は、そもそも不可能に近いことが多いと言えます。
風俗店トラブルにおける風営法違反の容疑で逮捕された場合、いっこくもはやく留置場から解放されたい・解放してほしいと、弁護士に依頼して、勾留の決定を阻止又は公訴の提起や公判の請求を阻止してもらう必要があります。
基本的には、刑事裁判においては、検察官に立証責任がありますから、「被告人が罪を犯したこと」を検察官が証明しなければならないので、被告人には「無罪であること」を証明する責任はありません。
ただ、検察官の証明により被告人が罪を犯したと認められそうになったとき、被告人にも「検察官の証明が正しくない(疑わしい)」ことを証明しなければならなくなります。
無罪証明のために弁護士に相談する意義
いまの日本において、検察官が起訴した刑事事件は99.9%が有罪判決となっています。
(平成25年版犯罪白書」平成24年)
そして、検察庁による事件処理のうち、終局処理人員全体の約6.8%が公判請求され、約24.5%が略式命令請求をされています。
つまり、事件が警察などに認知され検察庁へ送られると、全体の約21%超の人が起訴されて、起訴されるとほぼ有罪となってしまうということになります。
このことからも、逮捕され、起訴される前に、一刻も早く弁護士に相談する必要性が高いと言えます。
弁護士と一緒に無罪を証明するためできること
取調べの段階で、弁護士から適切なアドバイスを受けるのが大事
取り調べにおける自白は、過大に評価される危険性があります。自白行為はあなたが思っている以上に裁判では有力な証拠となるためです。
無罪を主張しつづけること
もし冤罪で逮捕された場合、諦めずに無罪を主張し続けることが大切です。長期間身柄拘束が続くと、どうしても精神的に追い詰められて罪を認めそうになることがありますが、そのようなことをすると裁判になったときに大きく不利になってしまいます。
黙秘を続ける
そもそも取り調べでは一切話さないという選択肢(黙秘権を主張)もありますが、虚偽の自白をすることだけは絶対に避けなければなりません。ひとりではつらくても、弁護人の励ましを受けると、がんばれる方が多くいます。
有利な証拠を収集しよう
被疑者に不利な証拠(自白調書)を作成させないことと同時に、被疑者の無実を積極的に証明する証拠を収集します。
自白の強要に応じない
虚偽であっても自白をしてしまうと有罪判決を受ける可能性が高まってしまいますので、絶対にしてはいけません。弁護人による励ましを受けながら、あくまで否認を続けましょう。裁判官によっては信じてくれると方もいるかもしれませんが、捜査機関に対して自白をしたというのはその後の刑事裁判で重要な事実として扱われます。
虚偽の自白を強要されても手遅れではない
取調べの中で虚偽の自白をさせられてしまったら、すぐに弁護士に相談してください。捜査機関による取調べ状況など具体的な事情のもと、虚偽の自白がなされたということを主張し、裁判において証拠として使用できないよう排除する主張をしていくこともできます。
絶対に調書にサインしない
取り調べが行われると、供述調書が作成されます。これは、刑事裁判で証拠となる重要な資料なので、微妙な表現の違いであっても、記載内容に納得できていないなら、その修正を求めなければなりませんし、絶対にサインすべきではありません。
無罪を証明したい場合は弁護士に相談
違法・不当な取調べに対しては、明確に拒否の意思を示し、絶対に自白しないようにすることが大切です。違法・不当な取調べが行われていると思ったら、すぐに弁護士に相談してください。