状況別の対処法
逮捕されてしまったら
逮捕されてしまったら、留置場や拘置所に身体を拘束されることになります。「身体拘束」といっても、その根拠は逮捕だけではありません。逮捕による身体拘束が許されるのは、最大で3日です。この期間が過ぎた後は、別の理由で身体を拘束されることになります。
では、何を根拠に、一体いつまで身体を拘束されることになるのでしょうか。
逮捕
逮捕の種類は3種類あります。犯罪が行われたところを逮捕する「現行犯逮捕」、一定の重大事件の場合に逮捕状を示さずに行う「緊急逮捕」、逮捕状を示して行う「通常逮捕」の3種類です。
警察は、逮捕してから48時間以内に、検察に事件を送致します。を受けた検察官は、24時間以内に勾留請求をするか釈放するかの破断を行うことになります。つまり、逮捕の期間は72時間ということになります。
勾留
勾留請求は、検察官が裁判官に対して長期間の身体拘束を求めるものです。検察官から勾留請求がされると、一度裁判所に連れて行かれ、裁判官から「勾留質問」というものをされることになります。勾留質問では、逮捕されている被疑事実に誤りはないか、言いたいことは無いか、などの質問をされます。
裁判官も勾留の必要があると判断した場合には、勾留決定が出され、更に身体拘束が続くことになります。
風俗トラブルで多い強制性交等罪の場合、被疑者と被害者の接触を防止するという観点からも、勾留が認められる場合が多いと考えられます。
勾留の期間は10日間ですが、必要がある場合には、更に10日間の勾留期間の延長が認められます。
この勾留期間が満了するまでに、検察官は起訴するか否かの判断をすることになります。
つまり、起訴されるまでの身体拘束(被疑者段階での身体拘束)は、逮捕の期間も合わせると最大で23日間なのです。
起訴後
起訴後は、被告人として勾留されることになります。法律上、起訴後の勾留期間は原則として2か月と規定されています。
しかし、裁判が長引き公判が続けば、1か月ごとに勾留期間は延長されますから、原則として裁判が終わるまで身体拘束は続くのです。
公判は、起訴後1か月ほどで1回目が開かれます。その後、公判期日はだいたい1か月ごとに開かれることになります。
起訴された事件を被告人が認めており、事件の内容が比較的単純なものである場合には、第1回期日で結審、2回目の期日で判決という流れを辿ることが多いです。
しかし、複雑な事件になると公判も2回目、3回目と回数を重ねることになりますから、その分身体拘束の期間も長引いてしまいます。
長期間の身体拘束を防ぐために
このように、起訴されてしまえば身体拘束は裁判が終わるまで続いてしまいます。裁判が長引けば、身体拘束の期間も長引きます。裁判の結果実刑となれば、そのまま刑務所で刑期の満了まで身体拘束が続くことになりますから、長期間の拘束を覚悟しなければなりません。
そうならないためにも、起訴前は釈放・不起訴に向けた活動を行うと同時に、捜査機関にも働きかけを行う必要があります。
また、起訴後は保釈に向けた活動を行うと同時に、判決において、情状面で有利に考慮してもらえるような事情を積み重ねて、裁判上で主張していくことになります。
捜査機関や裁判所に対するこれらの働きかけは一貫したものであり、綿密な準備が必要になりますから、捜査の初期段階から継続して活動を続けることが望ましいのです。
そのためにも、逮捕された場合には直ちに弁護士にご相談されることをお勧めします。当事務所では、被疑者段階から起訴後まで、一貫したサポートを行います。