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性犯罪の自首と否認

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性犯罪とは、レイプや痴漢といった不同意性交等罪や不同意わいせつ罪に属する性的な犯罪のことです。
誤って性犯罪をしてしまった時には「自首しよう」考えていたとしても、恐怖から警察に出頭できない方もいます。

しかし性犯罪は重大な罪であり、そのまま黙っている方が罪も重くなります。
また、もしも証拠が揃っているのに、容疑を否認し続けた時にはどうなるのでしょうか?

それに身に覚えのない性犯罪の容疑がかかった時には、否認するのが通常です。
そこで今回は、性犯罪の自首と否認についてご紹介します。

性犯罪を実行してしまった方はぜひ参考にしてください。

関連コラム:不同意わいせつとは?逮捕された時の対処方法

 

1 性犯罪が明らかになるケース

不同意わいせつなどの性犯罪をした場合、出頭する勇気がなく黙ってしまうことがあります。
しかし被害者の方は今も苦しんでいるわけであり、放置しておくわけにはいきません。

性犯罪は犯人が黙秘していても、事実が明るみに出るケースがいくつかあります。
具体的には、通報、物的証拠、DNA鑑定、防犯カメラの照合による4つです。

 

⑴通報

第三者による通報で、性犯罪が発覚するケースです。レイプや痴漢に遭った被害者の場合、本当は警察に行くべきなのですが、性犯罪に遭った恥ずかしさや不安などの気持ちから一人で事実を抱え込み、警察に出頭しないことがあります。

しかし、現場で一部始終を見ていた第三者は別です。
犯人の顔や服装、日時など詳しい情報から警察が捜査を開始して、事件が明るみに出ます。

 

⑵物的証拠

性犯罪を実行した本人が、現場に持ち物などを置いてきたことで事件が発覚するケースです。置かれているカメラやバッグなどを調べて、物的証拠から犯人へと辿り着きます。

 

⑶DNA鑑定

事件現場にあった髪の毛や体液、血液などからのDNA鑑定です。
付近の指紋なども調べることで、犯行が発覚します。

 

⑷防犯カメラの照合

駅やコンビニなどセキュリティの強化を目的に、今はあらゆるところに防犯カメラが設置されています。近年の画像認識技術では、通行人の顔の中から被疑者の顔を瞬時に見つけることが可能です。

カメラの確認により、身体接触によるわいせつ行為や盗撮などが発覚します。

 

2 性犯罪で自首した方が良い理由

自ら性犯罪をした自覚がある場合には、自首するのが賢明です。
自首のメリットとしては、以下の5つがあります。

 

⑴逮捕や拘留を回避できる可能性がある

犯罪で最もイメージが強いのは、逮捕や拘留といったシーンでしょう。
自首をすることで、逮捕や拘留などの身柄拘束を回避できる可能性があります。

犯人自らが自首をすると、警察側としては逮捕要件である「逮捕の必要性」がなくなるからです。

被疑者がすでに出頭しているので逃亡の心配もなく、証拠隠滅の恐れもあまりないため、「身柄拘束の必要性なし」と判断される可能性は高まります。

ただし強姦については行為の悪質性から、自首をしても逮捕を防ぐことは困難です。

 

⑵家族や職場に知られずに済む

盗撮などの性犯罪の場合、本人の性癖などを調査するため、多くのケースで家宅捜査が行われます。

自宅のパソコンやハードドライブ差し押さえる目的ですが、そうなると当然家族にも知られることになります。必要があれば職場のパソコンも押収されるので、同僚や上司など周囲にも事件のことが知れ渡るでしょう。

弁護士を通じて自首をすれば、捜索差し押さえの必要がないことを捜査官に伝えてくれます。

 

⑶刑が軽くなることもある

自首によって、刑が減刑されることもあります。
自首をすることで反省していると判断されるため、被害の程度にもよりますが、刑が軽くなったり、不起訴になったりする可能性が上がります。

少しでも罪を軽くしたいのであれば、事件が発覚する前に自ら出頭することです。

 

⑷気持ちが楽になる

性犯罪の中でも、不同意わいせつは重罪です。
罪の重さに耐えきれなくなり、精神的に苦しくなることもあります。
もしも起訴されれば人生全体に影響するので、生活も一変するでしょう。
被疑者の中には、自首によって気持ちが楽になったという方もいます。

 

⑸供述の信用度が高まる

自首することで、心を入れ替えたと判断されて供述の信用度が高まります。
発言の信憑性が増せば、減刑や不起訴処分、執行猶予を獲得できる可能性も上がるでしょう。

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3 性犯罪の否認

実際には犯罪をしていないのに、事実を認めるよう説得してきた場合には、容疑を否認することになります。

一方で性犯罪に身に覚えがあり、証拠も出揃っている時に否認しても良いものなのでしょうか?

ここでは、身に覚えのない場合の否認と証拠がある場合の否認の2パターンをご紹介します。

 

⑴身に覚えがない、記憶がない場合の否認

通常、性犯罪で逮捕されると10日間ほど拘留されます。しかし、身に覚えのない容疑で否認した時には、拘留されずに釈放されることもあります。

痴漢がその例と言えますが、不同意性交等罪といった重罪についての即時釈放は難しいでしょう。

それに釈放してもらったからといっても、捜査は続行されます。
被疑者が否認している際は、発言が本当か否かなど話の信憑性を確かめる必要があるうえ、性犯罪の被害者からも聴取を取ります。

どちらの意見が正しいのかを判断するため、複数回の取り調べにも応じる必要があるでしょう。

否認するケースとしては、両者合意で性交等を行ったり、実際には性交等していなかったりといったことがあります。

取り調べは自白を求めて厳格なものになると予想されるので、できる限り当時の状況を思い出すようにしましょう。

もしも身に覚えのない容疑がかかった時や記憶がない場合には、すぐ弁護士に相談することも大切です。

起訴された場合には弁護士を選ぶ必要がありますし、冤罪の場合にも弁護士を選任しておくことで事実を主張しやすくなります。

 

⑵明白な証拠がある場合の否認

逮捕の段階で多くの証拠が挙がっているのに否認していると、事態が不利に働く可能性があります。

具体的には、拘留の延長や起訴の可能性の上昇、示談できないなどです。
拘留は逮捕後の措置であり、最大で20日間となります。

明らかに証拠が揃っているのに容疑を認めないということは、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると思われるので、長い時間拘留されるのです。
容疑を否認しただけで拘留されるわけではありませんが、ずっと否認していると拘留されたり、身柄拘束が延長されたりする可能性は高まります。

起訴の可能性が上昇するのは、捜査官に反省していないと思われるからです。
明白な証拠を並べているのに事実を認めないと、検察官への印象も悪くなります。
裁判においても刑が重くなることがあるでしょう。

犯行が事実である際は、一般的に刑を軽くするため被害者と示談交渉をします。
性犯罪の事実を受け止め、謝罪の気持ちがある被疑者の刑を少しでも減刑するためです。
しかし、容疑を否認しつづけると反省の色がないとされ、示談は行えません。

性犯罪の自首と否認

 

4 警察から連絡があった時の対応

身に覚えのない性犯罪で警察から連絡があった際には、すぐ弁護士に相談した方がいいでしょう。

刑事事件に強い弁護士であれば、事情聴取からも力になってくれます。
弁護士であれば、警察の立ち合いなく接見可能で、家族や友人からのメッセージも届けてくれます。

事実関係や意見を主張するためにも、警察から連絡が来た時は弁護士を頼りにしましょう。

 

5 まとめ

性犯罪をしてしまった時や自覚がある時は、自首をすることで刑を軽くできます。
被害者へ謝罪するためにも、自分から名乗り出るようにするべきです。
もしも身に覚えのない容疑がかかった際には、簡単に認めようとせず否認した方が良いでしょう。
意見や主張を通しやすくするため、弁護士も呼ぶことが大切です。

このコラムの監修者

  • 田中今日太弁護士
  • 弁護士法人 法律事務所ロイヤーズ・ハイ

    田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録

    弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、性犯罪事件、窃盗・横領などの財産事件、暴行傷害などの暴力事件などで多数の不起訴経験あり。刑事弁護委員会所属。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。

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