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マッサージ店で執拗に触られたが,どうすればよいか。

マッサージ店での施術中,必要以上に体を触られている気がする,下着の中に手を入れられたが,これも施術の一環なのか分からない…モヤモヤを抱えたまま施術を終え,何もできずにいる。そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また,施術したマッサージ店側も,本当に施術をしただけなのに,ある日突然警察に呼び出された,なんてこともあるかもしれません。
ここでは,マッサージ店で起こり得る問題について解説していきます。

1.強制わいせつ・準強制わいせつ

マッサージでは体に触ることを前提にしていますから,触り方や触っている位置に違和感を覚えても,「施術の一環かも?」と思ってしまうかもしれません。しかし,一見施術に思えたその行為が,「わいせつ行為」にあたる可能性もあるのです。
「わいせつ行為」とは,簡単に言えば,被害者の性的羞恥心を害する行為を言います。陰部を触る,胸を触る,キスをする等の行為も被害者の同意がなければ「わいせつ行為」に該当するでしょう。
マッサージにかこつけて被害者の同意なくこれらの行為を行った場合,強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪に該当する可能性があります。

(1) 強制わいせつ罪(刑法176条)

13歳以上の者に対し,暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6月以上10年以下の懲役に処する。

刑法176条には以上のような規定があります。
殴られた,押さえつけられた,また,「言うことを聞かないと殺す」等と言われた。このような事情があれば,マッサージの名目で胸や陰部を執拗に触られても,これらの行為は強制わいせつ罪に該当する可能性があります。

(2) 準強制わいせつ罪(178条1項)

人の心身喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心身を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,わいせつな行為をした者は,第176条の例による。

刑法178条1項には,このように規定されています。
ここでいう「心神喪失」とは,精神に生じた異常によって,正常な判断ができない状態をいいます。熟睡している場合,泥酔状態である場合等がこれにあたります。
また,「抗拒不能」とは,心神喪失以外の理由で,物理的・心理的に抵抗ができないか,抵抗が著しく困難な状態にあることをいいます。身体を拘束されている場合には物理的に抵抗不能だといえますし,騙されている場合には心理的に抵抗が困難だといえるでしょう。
マッサージ店でのわいせつ行為では,この「抗拒不能」を利用している事例が多いでしょう。胸を執拗に触る等のわいせつ行為が行われても,「もしかして施術の一環かもしれない」と思って抵抗ができない,という場合が多いからです。

マッサージ店では,完全な個室で施術が行われることも多いため,室内で何があったかは当人同士しか知り得ません。わいせつ行為の被害に遭ったと感じたら,警察に相談されるのが良いでしょう。

2.損害賠償

また,わいせつ被害に遭った場合には,精神的に苦痛を被っているわけですから,民事上も,不法行為に基づき損害賠償請求を行うことができます。
強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪は非親告罪ですから,被害者の告訴が無くても刑事事件化することは可能です。しかし,民事上の責任を問うには,被害に遭ったと主張する側がその実態を証明しなくてはなりません。そのため,損害賠償を請求したいとお考えの場合には,弁護士にご相談されることをお勧めします。

3.強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪の疑いをかけられたら…

(1) 無実を訴えたい

マッサージをした側も,何もやましいことがないのに,突然警察から連絡が来た・お店に押しかけられた,という事態に巻き込まれるかもしれません。
マッサージの最中に何があったかは,当人以外は知り得ません。被害者が被害に遭ったと言えば,捜査が開始される可能性が高いのです。
施術の状況をカメラ等で記録していれば客観的な状況は明らかになりますが,これでは逆に盗撮等の犯罪行為に該当しかねません。無実を訴えるには,施術前後のやり取り,被害者の被害申告の不自然さ等,様々な事情から,被害者の申告が信用できないことを主張していかなければなりません。
あらぬ疑いをかけられた場合には,早期の証拠収集・被害者供述の分析が必要不可欠です。ご自身での対応は困難ですから,一刻も早く弁護士にご相談されることをお勧めします。

(2) 身体拘束されたくない

わいせつ行為を行ったことが真実である場合にも,身体拘束を防いだり,不起訴を目指す等の活動は必須です。
被害者との示談を進める,捜査機関に反省していることを示す等,やるべきことは多くあります。これらの活動をご自身で行うことは困難ですから,早期に弁護士にご相談されることをお勧めします。

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